景仲「憲基様の後のことですが…」
持氏「憲基には子はおらぬが…」
景仲「はい、憲基様はこの時が来るのを予測しており、我が遺言を預かっております。」
持氏「憲基はわかっておったのか…」
景仲「憲基様は…越後の上杉房方(うえすぎふさかた)様の三男、孔雀丸(くじゃくまる)様を養子にして、山内上杉家(やまのうちうえすがけ)の当主にせよとの遺言でした。」
持氏「房方も山内上杉家の人間。申し分はないの。今、孔雀丸とはいくつじゃ?」
景仲「9歳にごさいます。」
持氏「まだ小童ではないか!わしより年下、かなり離れておるではないか!?」
景仲「憲基様は先の乱で越後に参った時、孔雀丸様をいたくお気に召した様子でした。」
持氏「…そうか、憲基の望みなら叶えねばなるまい。景仲、孔雀丸とやらを越後より連れてまいれ。」
景仲「ははっ!」
一方、越後でも憲基の死の報せが入っていた。
房方は「この時が来た」と思い、孔雀丸を呼んだ。
孔雀丸「父上、関東管領、憲基様がお亡くなりになったと聞きました。」
房方「うむ、病での…憲基はそなたのことをことのほか気に入っておったぞ。」
孔雀丸「それは嬉しゅうございますが…もう一度お会いしとうございました。」
房方「憲基の願いにより、そなたは憲基の後を継ぐのだ。」
孔雀丸「私が?憲基様の後継者と?」
房方「そうだ、憲基は存命中から、その決意であったのだ。鎌倉に入り、関東管領職に就くことになろう。」
孔雀丸「…鎌倉、関東管領…憲基様…」
孔雀丸はうつむき…考えた。
そして…
孔雀丸「わかりました。私はまだ未熟ですが精進します。」
房方「うむ、孔雀丸、そなたは山内上杉家の当主だ。」
幼い孔雀丸は鎌倉に入ることとなった…。
つづく…
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