諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
1184年3月、京にいる源頼朝(みなもとのよりとも)様の弟、源範頼(みなもとののりより)・源義経(みなもとのよしつね)率いる鎌倉軍は摂津国福原まで進出してきた平家(へいけ)の軍勢を討つべく出陣しました。
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平清盛じゃ。わしは死んでしまったが我が一族が京に入るために盛り返してきたのじゃ。
この戦は範頼と義経は二手に分かれて進軍。
義経の軍は平家の背後の一ノ谷の断崖絶壁から奇襲したのです。
この奇襲で平家軍は大混乱、平家軍は敗走したのです。
この戦を一ノ谷の戦いといいます。
北条義時(ほうじょうよしとき)は範頼の軍勢に参加していました。
義時「義経様は凄い。あんな高い断崖絶壁から馬で降りてくるとは…。」
鎌倉軍勝利の報せは鎌倉にも入ってきました。
その頃、金剛(こんごう、泰時の幼名)の母・光(ひかり)は仕えていた北条政子(ほうじょうまさこ)様の元に居ました。
政子「光、鎌倉軍が平家軍に勝ちましたよ。」
光「義時様はご無事でしょうか…?」
政子「無事ですよ。光は常に義時のことを思ってくれていますね。義時の姉として嬉しく思いますよ。」
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ある日、光が金剛を庭であやしていました。
そこへ頼朝様が現れたのです。
光「これは頼朝様…。」
光は平伏しました。
頼朝「よいよい、顔を上げよ。そなたが義時の妻だな。」
光「はい。光と申します。」
頼朝「うむ…。」
頼朝様は光をまじまじと見ました。
光「えっ?私は義時様の…。」
頼朝「待っておれ。」
頼朝様は光の言うことを聞かず、その場からいなくなりました。
光「どうしよう…」
頼朝様は女癖が悪く、正室の政子様に隠れて数々の女性と関係を持っていたようです。
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また光の仕える政子様は嫉妬深く、頼朝様の浮気相手の家を家臣に命じて打ち壊させた事件もあったのです。
光「私には義時様がいる。それなのに…、政子様に仕える私を誘うとは…。」
光は悩みました。
その夜、頼朝様は言葉どおり、光の寝所を訪れました。
頼朝「待たしたな、光。顔を上げておくれ……ん⁈ そなたは!」
そこに居たのは政子様だったのです…。
つづく…
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