18 アゲハの幼虫
アゲハ蝶の幼虫が
ベランダのレモンの木に住みついていた。
レモンの葉を食べてだんだん成長してゆき、
大きくなっていった。
近くで観察すると
なんだか可愛くなってきて、
サナギになり、
蝶になるのを楽しみにしていた。
毎朝、
おはようと声をかけていた。
しかし、
ちょっと心配だった。
なんだか美味しそうになってきたからだ。
ある朝、
レモンの木の先端の枝の葉が
食べられていた。
でも、幼虫はどこを見ても見つからなかった。
きっと
鳥の恵みになったのだろう。
全ては自然なのだろう。
でも、あのアゲハの幼虫の姿が
心に焼き付いて、
かけがえのない喜びに変わった。
17 ヨハネの手紙だけでいい
聖書も今まで読んできたけれど、
この歳になって
もうヨハネの手紙だけ読んでいれば良いと
思うようになった。
互いに愛し合う勇気のある人と
楽しく交友関係を続けていける幸せがあればいい。
愛が感じられなければ
全てが空しい。
もう、何者にも騙されない。
毎日、ヨハネの手紙を読んでいこう。
16 あなたに呪をかけたのは誰だ?
陰陽師が最近流行っています。
安倍晴明が人の心から払うのは呪(しゅ)。
呪をかけるのは大概鬼と決まっている。
でも、あなたに呪をかけたのは人。
それも、一番身近な人。
誰にも心当たりがある。
父親や母親に嫌われたくなかった自分。
あなたの人生を支配したのは親。
嫌われたくないから勉強をした自分、
嫌われたくないから親の薦める職業を選んだ自分、
親の勧めた結婚、
親のために介護をしている自分。
自分のための人生ではなく
親のために生きている自分。
あなたに呪をかけたのは親。
その呪を
愛に変える術を知っているのが
陰陽師。
自分を愛することに気づかせてくれるのが
陰陽師。
呪をかけるのは鬼ではなく身近な人間です。