「勉強しても役立たない」
「数学・英語なんて役に立たない、読み書き・四則演算だけで十分」
という考えがあります。
「仕事に直接役立つことを教えてくれればいい」
という考えもあるでしょう。
「家庭科や技術を学ぶ方が、よっぽど役立つ」
わからなくもありません。
しかし即効性のあることに、それ以上の価値は無いのです。
例えば自動車教習所に通うと、すぐに自動車の運転ができるようになります。
しかしそれだけです。
それ以上のことはできません。
運転免許が珍しい時代でもないので、運転免許を取れば引く手あまたでもありません。
英語を学べば、外国人と仕事をするチャンスができます。
技術者でも英語のマニュアル・文献を読む必要があります。
観光客を案内できるかもしれません。
欧米人だけでなくアジア人・アフリカ人などと友達になれるかもしれません。
仕事や人脈を紹介してもらえるかもしれません。
可能性が広がるのです。
公民を学べば、法律や税、経済などの基礎が身に付きます。
世の中には例えば悪徳弁護士が悪徳業者とつるんでいて、だまし取ろうとしています。
本来はある程度基礎的な法律の知識がないと見抜けないのですが、
中学校の公民はそのとっかかり・入口として、良く学んでおいたほうがいいです。
労働者の権利を守る労働三法(労働基準法など)の詳細を知らなくてもいいです。
しかし、そういう法律があるということを知っているか、知らないかでは、
対処をするか、泣き寝入りをするか、という分かれ道になります。
とはいうものの、知識を断片的に知っているだけで、使い方を知らなければ意味がありませんが。
知識は力になります。
歴史は単に古いことを知るためではありません。
本来は先人の教訓・失敗・成功を読みとり現代・自分に活かすためです。
例えば平安時代末期から鎌倉時代にかけて、平氏→源氏→北条と権力者が短期間で代わりました。
なぜでしょうか?
平氏は「平家でなければ人でない」などとおごり高ぶり、他の人々から反感を買ったため、
源氏を支持する人が多くなったこと。
源氏は源頼朝が、実の兄弟の義経や範頼を殺したために、
自分の幼い子どもたちを守る源氏(親族)がいなくなった所を、北条に狙われたこと。
北条が鎌倉幕府の実権を握ることが出来たのは、一族が仲たがいせずまとまって、
他の武将たちを片っ端から滅ぼして行ったから。
つまり仲間同士反発しあうのではなく、団結しあって危機感を持ちながら対処して行くことが必要です。
…このように、歴史からはたくさんのことを学べます。
以上のように、学ぶことによって、将来の職業や考え方、行動等の選択肢を広げることができます。
学ぶ・学習する・勉強することで、自分が有利になるのです。