楽譜の音符通りに弾きたい。
ただ、それだけなのに。
少しだけ近づけた気がすると、
今度は思う。
もっとこんな音色で弾きたい、
もっと面でとらえて、歌うように弾きたい、と。
気がつけば、
「なんでこんなに下手なんだろう」
そんな言葉が、静かに積もっていく。
いつになっても、
ここから抜け出せない自分がいる。
なんだろうなぁ。
誰かが言っていた。
――底なし沼みたいだ、と。
もがいても、もがいても、
深く沈んでいくような感覚。
それでも、
やめようとは思えない。
音に触れている時間だけは、
少しだけ、自分でいられる気がするから。
いつか、
「ああ、これでいい」と思える日が来るのだろうか。
きっと、まだ遠いけれど、
それでも、少しずつでも近づいていると、
そう思っていたい。