今日水曜夜の『コーポレート・ガバナンス』の発表のためパワポ資料作りをしています。ソフトモヒカンのN野君とメールで連絡取り合いながら、ようやく「船場吉兆偽装事件」をテーマとした資料が出来上がりました。

船場吉兆の会社沿革を紐解いていくにつれ、1930年に吉兆を創業した湯木貞一の企業理念は、千利休のお茶の心「一期一会の精神で、お客様第一に営業する」ことだと分ります。まさか利休の心と繋がっていたとは知らず、創業当時は崇高な理念をもっていたんだなぁと関心しています。

「一期一会」は好きな言葉でもあります。

この崇高な理念を物語るエピソードとしては、食事をして「美味しかったよ」と帰ったお客様を追っかけて、「本当に美味しかったのでしょうか?」と問いただしたくなる衝動に何度も駆られたとか、毎日予約を続けたお客様が「メニューが毎日変り、一つとして同じメニューが無かった」と驚いたなど。。真にお客様本意の経営理念に基づき、営業されていたのだなと関心します。

しかし、1991年の暖簾分けにより3女の佐和子に引継がれた時から風向きが一変していきます。バブル崩壊の外的環境変化により利益重視に走るのも分りますが、やはり理念というインタンジブルなものまで承継するのは難しかったようですね。その後は、メディアで報じられている通りの末路を辿ったわけです。

理念は、変らないもの、変えてはいけないもの。
変らなければいけないのは、本当は人のほうなのに。
利休がこのことを知れば、腹を抱えて笑うだろうか。。

ところで、お正月に読んだ『利休にたずねよ』の著者で昨年の直木賞作家の山本兼一氏と、ある人を介してとある縁で偶然繋がっていることがつい最近分りました。高校の先輩でも、同志社大学の先輩でもある訳ですが、いつかお会いできる機会があれば、このような話しをしたいなと思っています。