今年も残すところあと少し。相変わらず音楽のことに関する更新しかしなかったが…ぼちぼち仕事もしてます。あ、変身しているときは攻撃しちゃいけないんだよ。


Sunjammer - Yuggoth
前回に引き続きSunjammerで、実質未リリースの良曲(まぁ本人がYouTubeに上げてるので、リリースしていると言えなくもないが)。たとえ音楽的にはノイズまみれであっても、私は美しいと思っているし聴き続けるだろう。何より重要なのは、そこに含まれる作者のシグナルなんだし。



Transcend & Olly Addictive - Gravity
(復活した)Rebuild MusicがリリースしたFreeform Familyに収録。テンポが速くなったり遅くなったりするのは重力加速度の影響からか。Transcendは、アルバムSynaesthesiaをStamina Recordsから出したり、Project BadassのプロジェクトをCyraxと一緒にやったりするなど、Freeform界では縦横無尽に活動している。



Transcend & Midas - Hide & Freq
う~ん、今回はTranscendを推そうかな。Freeformはリリースが少ないけど名曲が多いぶん、選びにくいのだ…。この曲は、Watchtower vol.3に収録。いろいろエフェクトを使ってて、いいするめ曲に仕上がってます。



Ultraform - Spectators of The Chase
前々から一目置いているUltraformだが、Efrain VargasのFools Forest Mixに入っている曲としては知っていた。レーベルFools ForestでリリースしていたChase Meの一部フレーズを使っている...ちなみにMixでは、Chase Me ~ Spectators of The Chaseの繋ぎがいい感じになっている。今はUnreleasedではなく、UltraformのBandcampサイトでいつの間にか販売されていて、代わりに以前運営していたレーベルFools Forestのサイトがデッドリンクに…。



The Diamond Ring - Tystend
The Diamond RingはUltraformとSourのユニット。不穏な感じが独特で聴き応えがある曲。以前紹介しているEndah - Alright AlrightなどとともにBandcampに含まれてない曲も多く存在する...もっと取り扱う曲が増えると嬉しいのだが。



Corpo​-​Mente - Ort
以前紹介したIgorrrとメタルバンドÖxxö XööxのボーカルLaure Le Prunenecのユニット。ファルセットからシャウトへ転じる箇所が好きだ。以前紹介したTout Petit Moineauのライブバージョンも見つけてしまった。



DJ Hidden - Once Upon A Time In Porto
DJ Hiddenのアルバム、Directiveに収録。2枚のSamplerが先行リリースしたものも聴いていたが、DubstepやBreakcoreの多彩なリズムパターンを様々な雰囲気に適用したりHipHopの要素を取り入れたりした意欲作である。ただ、特に近年のDJ Hidden名義に言えることだが、The Outside Agencyの強烈なドラムやキックは控えめになっている…ソロ活動と2人での活動との棲み分けをするところ、やはり彼は只者ではない。



Ryoji Ikeda - data.matrix
Raster-Notonからリリースされているdataplexに収録。Test Pattern, Supercodexと並んでデータ3部作とも呼ばれる池田亮司氏のアルバムの一つ。使っている音はElectronicaなのに、多彩かつ配置が精密で、ここまで表現できるのかと衝撃を受けた。実験的な要素は好みだし、他のジャンルにも通ずるところがあるから要チェックだ…彼のような作品の細かな良し悪しも分かるようになっていきたい。データか…哲学的なところも考えさせられるなぁ。

音楽では和音やリズムを用いることで、規則正しいデータ(情報)をもって提供されている…早晩それは機械に代替されていくんじゃないか。データ革命……産業革命でもたらされた機械化は、恩恵こそあれど多くの喧噪をもたらしてきた。私たちは、人間として何をなせばいいのだろう。



現在私が聴いている曲だけではなく…私の音楽史の中でターニングポイントになった曲も少しずつ挙げていこうと思う。自分の音楽史の整理が、あわよくば周りの人に伝播できれば幸いである。


Fragma - Outlast
Fragma...彼らを知ったのは、オムニバスThe BEST Of velfarre Cyber Trance収録のEverytime You Need Me (Above & Beyond Remix)。元々、当時思い入れのあった浜崎あゆみがリリースしたAyu Tranceを発端として、エイベックスが発売するトランスを(できるだけレンタルで)聴こう、という思いがきっかけだった。蛇足だが、ユーロビートのブームを仕掛けたのはエイベックスで、頭文字DのゲームサントラやアニメCDの発売元でもある。

トランスのアーティスト別のアルバム(非コンピレーションアルバム)もエイベックスが発売している、という情報を知ってレンタルしたのが、FragmaのアルバムTocaだった。この中の曲、Outlastはアルバム中唯一歌モノではない、Fragmaらしからぬ曲。にもかかわらず、この曲が好きだ、と自覚したとき — 好きな音がもっと追求できそうだし、突き詰めたいと思うようになった。やがては、歌詞や人の歌声は音楽におけるコンポーネントの1つで必ずしも必須ではない、という考えになり、後年の浜崎あゆみを含めてポップミュージックからは離れていくことになる。
Stana & Robin Hagglund - Bermuda


Bolted Recordingsがリリース。以前紹介したStanaのレーベル発ではないですが、StanaとRobin Hagglundの組み合わせで曲をつくっています。リリースが2007年であるものの、今でいうところのEDM的なHard Tranceだから、決して古くはないと思うのだ…。

Firefarm & AJ Myst - Carpe Diem Part 3


Watchtower RecordsからリリースされたWatchtower Vol.3に収録。FirefarmはEphexisの片割れらしい。VocalとMCがかみ合ってると思ったら、ライブもあるんだな。途中からワブルベースが入り曲調が変わって、最後にはBPMが落ちるところが良い。Part 3ということで、Part 1もPart 2もあるので聴いてみてほしい。

Slyder - Score (Alek Száhala remix)
Byproduct & Alek Szahala - Live @ Animecon 2015に収録(18:04 - 23:13)。Byproductのコメント"a couple of brand new tracks from Alek"のうちの1曲(もう1曲は、Alek Száhala - WIP)。

Cyberoptics & Current Value - Production & Decay of Strange Particles


先鋭的なDubstep DJであるCyberopticsとCrossbreed DJのCurrent Valueの合作で、アルバムSoularに収録されている。Drumstep = Dubstep + Drum 'n Bassと呼ばれているジャンルらしいが、結果としては現代的な和のイメージの曲に。この部類の曲はあまりないので (Donkey Rollers - Metroとか?!) 重宝します。

Cyberoptics - Tie Fighter


Cyberopticsからもう1曲紹介。Tie Fighter EPに収録されています。ピコピコした音が印象的ですが、リズムとしてはDubstepっぽいかんじが出てますね。こういう変わり種の要素があるのもいいなぁ。

Fracture 4 - You
レーベルPRSPCT Recordingsからリリース。Enzyme系レーベルでもリリースのあるFracture 4…リリースはさほど多くないものの、音楽の方向性はOphidianに近いものを持っていると感じたので最近よく聴いている。

Neurocore - Stigma


Fracture 4が運営しているレーベルLove Hzのリリース、The Magellan Chroniclesに収録。ダークでメロディックなIndustrial Hardcoreという意味でDark. Descent.などと親和性が高く、以前紹介したようにEmbrionycもリリースしている…が、これはSpeedcoreだな。

Sunjammer - Moon


Fracture 4が運営していたレーベルBloodshed Unlimitedからリリースされている、Version 3.0 EPに収録。Speedcoreということで遠ざけてはいたが、探してみればこういう良いメロディと一緒に展開する曲があって聴き応えがある。

おそらくダンスミュージックの中でも、Industrial Hardcore Technoは最も他ジャンルに影響を与えたジャンルの一つだといえるだろう。HardstyleはHard Danceとそれとの中間であり、CrossbreedもDnBとそれとの中間である。またHappy Hardcoreはそれへのカウンターによって生まれている。その先には各々EDMやDarkcore、Freeformがあると考えると、実に多彩な範囲に影響を与えてきた。
音楽とは芸術の一つであり、映画のようにアクションあり、コメディあり、サスペンスあり、ホラーあり、のように多彩であって当然だと思っている。本来的に、音楽というのは心・頭・体で音を楽しむものだと思っているが、どうだろう…現代人は音で楽しめているだろうか。



2015/9/23追記:
まずはFreeformの話題を(極小解曲紹介はしないけど)。
この記事を書いたから、ではないと思うが、Finrg RecordingsのSoundcloudでSlyder - Score (Alek Száhala remix)が配布されました。Freeformのリリースだけを見れば、今年は近年まれに見る大豊作。SubstancedのアルバムFutureFormも出てほしいな。

さて、以下は追加の曲紹介。
Sunjammer - I Understand Now


今回はSunjammerの曲を探してみることに。Zero71 RecordingsからリリースされたYouに収録。Ambient...?少し不穏だが、落ち着く曲だ。ニッチなジャンル/ニッチなレーベルからのリリース、変わり種の曲をリリースした場合は特に光が当たりにくい…その中ではコメントは盛り上がっているほうかも。


Sunjammer - Munen Mushin


Hardcore Crossbreed RecordingsからリリースされたHate Made Life Worth Livingに収録。他のSunjammerの曲に日本語っぽいタイトルがあるので、この曲は無念/無心のつもりなんだろう。意図的に(?)割れたヴォーカルの声より、ドラムのつんのめりと一時的なリズムチェンジがむしろ秀逸。


Xilent - Tenkai


Youtubeでは、Boss Waveが有名なXilentの2011年の曲。Neurofunk(Drum 'n Bassのサブジャンル)で、日本的な匂いがしたのでピックアップ。ただDubstep系って耳持ちが良いんだよな(聴いていると、すぐおなかいっぱいになる)…慣れるしかないのかな。


The Outside Agency - DMT


Genosha Recordingsの022: The Future Is Noに収録。一連のこのような音楽がSlowcoreと呼ばれているのは知っていたが、Slowcoreというものが何であるかを考えさせられるなぁ。
もともとHardcore Technoは(wikiにもあるとおり)、Drum 'n BassやDubstep, Breakbeatsなど多くのジャンルを吸収して、音やリズムが複雑化した経緯がある。この曲は、ファットな音は残しつつ、特徴的なリズムの制約を少なくしている。
この「引き算」の考え方は、Freeformや他のジャンルについても必要だろう。色々なジャンルを組み合わせて複雑化する時代はやがて去り、「強調する部分」を再検討・再構築する時代に差し掛かっている。

EDMブームに乗るべく、別ジャンルの著名なDJがEDMのDJと一緒になってコラボレートすることがよくあるが、私は個人的にはそれを望まない。なぜなら、人気取りを最優先するDJは格好悪い(格好がつかない)ばかりか、お互いの足場が十分に「足し算」されている成熟したジャンルであるため、コラボレートしても相乗効果は薄いからだ。適切に「引き算」するにはまず、興味のある別のジャンルの曲を実際にMixに含めたりRemixしたりすることで、お互いのジャンルを客観化/相対化することが不可欠だ。
The Outside AgencyはSlowcoreに対して一つの答えを示した…彼らのような存在があるから、結果としてHardcore Technoはダンスミュージック全体に影響を与え続ける。
前記事から、はや半年が経過してしまった....



Avicii - Waiting For Love
EDMという言葉が一般的になってきたかどうかは分からないが、それよりもAviciiの名前の方が知られているだろう。EDMはクラブミュージックの入口としてはおすすめだが、有名な曲のみ聴く、というのはもったいない。近いジャンルや歴史を遡ると、もっといい音楽に出会えるはずだ。




Wildstylez feat. Cimo Fränkel - Back To History (Intents Theme 2013)
…ということでBack To History。この曲は、レーベルLose Control MusicからリリースされているHardstyle…のわりに重い音は控えめで聴きやすい。Intentsはオランダで開催されているフェスティバルの一つ。

Hardstyleは2007~2013年あたりの曲が、個人的にはおすすめ…2006年以前だとキックが不足しているので。私の主観だが、HardstyleはHard DanceからIndustrial Hardcoreへと移行する中間的な位置づけにあったと考えている。(だからといって、Hardstyleを時代遅れと断じることもしない)







Stana feat. Emma Jiborn - Synchronize
Robin Hugglund - Red
Johann Stone - Reykjavik
3曲ともTech Maniacの異名を持つStanaのレーベル、Tech Maniac Recordからリリースされている。
1曲目は、アルバムPOVに収録されているVocal Tech Trance。このアルバムに限らず、彼のスタイルがTechnoやHard Trance, Hardstyleを跨ぐので、彼の音楽活動そのものが参考になるし、良い曲が多いと感じている。2, 3曲目はオリジナルだが、のちにお互いの作者同士が、お互いの曲をリミックスしてリリースしている。こういうのもリミックスの魅力の一つだ。


Ikaruga_Nex - Dodomeki
Qygen - 60Hz Power Rave
Freeformのリリース、今年は比較的多いので話題には事欠かないんですが、話せる人がそういない(笑)。
ともに今年リリースされたSmiling Corpse #002に収録。Freeform初期の頃から活動している、BlenderやRe-FormのHard NRGな曲もおすすめだけど…。
1曲目はDodomeki…日本の妖怪らしい。音づかいの一部や盛大にならないところに、少し和を感じる。その代わり、スピード感があってかっこいい。2曲目のQygenのうねりは健在…60Hzってのは電力の周波数のことかな。

Wyrm - Tendrils Of Reality
Nomic - Suicide Machine
こちらもBack To Historyして、Smiling Corpse #001に収録されている曲でおすすめを挙げておく。
1曲目はQygenばりのうねりが特徴(のちにQygenがリミックスしていますが)。2曲目はNomicらしい哀愁系。Nomicの曲はよく練られているなぁと思う。



光田 康典 - 時の最果て
いまさら説明は不要かもしれないが、ゲーム「クロノ・トリガー」の一曲。最近、ゲーム音楽を聴くようになって、懐かしい音を再認識している。一番大切なのは、自分の歴史の遡りだ。




2015/07/05 追記: Industrial系の音楽紹介



Meander + Ophidian - Nightfall + Angel
足し算引き算みたいになってるけど…。
Ophidian - Angelは、彼の作品の中では五指に入るほどに気に入っているリリースで、この曲の前にピアノ系の曲を配置しては個人的に楽しんでいた。
Meanderのピアノ曲、Nightfallが配置された上記Angelの存在を知ったのが最近。これを頻繁に聴いていたところ、NightfallつきのAngelが7月中旬リリースとのこと!



Relic feat. Embrionyc - What Is It To Be Human?
Dark. Descent.からリリースされているRelic - Bunker Iに収録。インターネットラジオ配信のHardSoundRadioでは、Bunker C.A.S.Tを展開させているRelic。のちにEmbrionyc's Live Versionがフリーリリースされているが、タイトルどおりの生々しさやシリアスさが出ている点では原曲が好きだな。



The Outside Agency - Der Remaken
注釈にもあるとおり、Taciturne - Der Totenという20年前の曲のリメイクを、TOAがフリーリリース。音の種類としては多くないが、音はリッチになっている。この曲のVIP Versionもあるけれど、個人的にはシンプルなこっちがいいかな。昔の名曲をチョイスしたり蘇らせたりするのもDJの仕事の一つだが…十分にいい仕事をしとるなぁ。
またもや間が空きましたが、またもや音楽の話題を。昨年後半までIndustrial(特にThe Outside Agency)を中心に好んで聴いていましたが、年末年始頃からFreeform熱が再来しています。

The Outside Agency - Tesla
Future Sickness RecordingsからリリースされているEinstein / Teslaに収録。テンポの精巧な変化に応じて、加速度的にIndustrialになるところが、絶妙に良い。これが磁場のイメージということか(テスラは磁束密度の単位)ちなみにDJ Hiddenは昨年11月に来日していました。

Eye-D & DJ Hidden - Rain
PRSPCT RecordingsからリリースされているアルバムPeer To Peer Pressureに収録。実質The Outside Agencyなのに、Eye-D & DJ Hidden名義で発表されているのは、全体を通してDrum 'n Bassだからか。音楽のリズムから得る知的刺激は、数学の図形問題を解いて得るものに似ている。

The Outside Agency - Centipedes & Sentinels
Ad NoiseamからリリースされたアルバムThe Dogs Are Listeningに収録。重厚なIndustrialの中にメロディを聴くととグッときてしまう。たまにツンデレのような音楽的性質が垣間見えるのが良いのだ...このアルバムは全曲おすすめといってもいい。

Igorrr - Tout Petit Moineau
Ad NoiseamのDiscogsを調べていたら見つけてしまった、IgorrrのアルバムHallelujah。Breakcore+Baroque+Black Metalとは、Venetian Snares以来の衝撃だった...個人的には5:4:1くらいが心地良い比率。ほかにはScarlatti 2.0Excessive Funeral(アルバムNostril)などが好みだ。このあたりのジャンルや実験音楽好きには、Igorrr推しですな。

Enduser - 1/3
Ad Noiseam発でもう1曲紹介するのは、Hip-Hopテイストが特徴のEnduserの楽曲。悲しげなメロディから始まって、ガバキックとノイズが徐々に支配的になる。Drum 'n Bassを内包したBreakcoreだが、重くなり過ぎないところが良い...と思ったら、マスタリングがDJ Hiddenだった。一緒にリリースされた2/3も良い感じ。

Energetic-X - Heavens Gate
Dark. Descent.傘下のSpirit Of Progressというレーベルからリリースされたアルバム、After Midnightに収録。Energetic-XはEmbrionycの変名。ボーカルの使い方、ピアノ...うまいと唸ってしまったDark Techno。

Endah - Alright Alright
EndahはUltraformの変名。レーベルFools Forestからも、この名義でのリリースが見られるのだが、この曲は正式リリースされているか不明(Myspaceでは公開されている)。実験的な楽曲としか言い表せないな。

Qygen & Olly Addictive - Vapaamuoto
レーベルSmiling CorpseからリリースされたアルバムQygen - Sci-Tranceのうちの一曲。QygenらしいPsy Freeform。日本的で美しい展開を思い起こさせるKimura Kaoru No Densetsu (Tribute To Betwixt & Between)もおすすめ。

Morita Yuuhei - Forced Worship
Ikaruga_nex - Sink
ともにFreeformatted EP 005に収録されている曲。Guldのリリース以外では、久々の日本発Hard NRGだろう。落ち着きのあるエナジティックでハードな展開は、低温やけどものだ。頭は技を求めるが、体はリズミックなものを求め、心はインパクトを求める。だから音楽を聴くのは楽しい。

Substanced & Aryx - Redux (Unfinished)
今はもうFreeformを作ってはいないAryxの未リリース音源。Substanced - The End of All Things (Aryx Remix)を思い起こさせる流麗なメロディ。リズムを大胆かつ自然に、あるいは繊細かつ不自然に変化させるところが凄い。他のAryxの未リリース音源に、Watchtower vol.3からリリースされるはずのHelixがある...もう1年以上待っている気がするのだが。

Paokala - Carnelian Waltz
Alek Szahalaの変名Paokala。Assemblyのコンペに出たりもしているようです。この曲はピアノとその電子音を用いたワルツですが、よく作れるもんだね...最近の曲だとGalatian MarchReturning Homeも良い。

ここ数年は楽曲をJuno Downloadで購入してきましたが、Ad NoiseamやNoisj.nl傘下のレーベル、Tympanic Audioなどからのリリースは、極力Bandcampで購入するようにしています。全編視聴可能であることと、DJやレーベルを直接支援できること(売価以上での購入が可能)、音楽情報が正確であること(多分、各々がサイト管理している)が主な理由です。

期待しているレーベルやDJの活動が止まってしまうのは悲しいですし、音楽に興味や知識のない人に変なジャンル分けをされたり廉売されたり...ということはないので。AmazonやiTunesに興味がある音楽があっても、私がほとんど利用しないのは、店員が「その商品が何であるか」を理解できていないからです。
電子音楽の強みは、電子楽器の音や人の声を変化させたり、組み合わせることができることにある。弱みは、奏法や唱法の表現に乏しいことだ。ピアノのような鍵盤楽器の音の強弱や指向性は再現が難しいし、ボーカロイドの人工音声は作り込んでも不自然に聴こえるかもしれない。
翻って、アコースティック支持者の主張は、曲の展開や人の奏法・唱法に依存した、非線形の音声変化になければならない(単純には、人や楽器の癖を再認識すること)。しかし、それは電子楽器やボーカロイド、色んな音楽ジャンルを聴く必要があることを暗に言っているのだ。
ずっっっと昔に紹介したが、di.fmやsky.fmというインターネットラジオがある。色んなジャンルのチャンネルがあるので、一通りは聴いてほしい。

さて、前置きが長くなったが、約半年ぶりの曲紹介。
Mirco Abete - Oceano (Embrionyc's Deepwater Remix)
Dark. Descent.リリースのアルバム、Mindwalker - What Is Beyond Horizonsの一曲。Mirco Abeteは、Mindwalkerの別名義です。さざなみに吞みこまれるような音を境に、DreamscapesからDoomcoreへと遷移していく、自然の美しさと怖さの両面を表した曲になってます。綺麗な曲作りができるEmbrionycとMindwalkerならではの曲。

Embrionyc feat. Danielle-Laura Ward - Time Passes By
以前紹介したEmbrionyc - Not Quite Forgottenからもう1曲推し。ボーカルがあって聴きやすい曲ですね。Dark. Descent.率いるNoisj.nlは、最近リリースが結構多いので好調に見えますね。IndustrialとElectronicaを繋ぐなど、実験的な音楽が支持されているのかも。

Ophidian & Tha Playah - Illuminate
以前紹介したOphidian - Candle & The Starから。以前は辛く評価したが、現在では高く評価している。Ophidianは彼らしい綺麗なノイズを展開しているので、Tha PlayahもノイズやMCで壊しにくくなったのかも・・・そう思うと、Tha Playah成分が控えめなのは仕方のないことですから。

Ophidian - End The Earth II / End The Earth II (Synthapella)
以前紹介したOphidian - Candle & The Starから。声の内容から、End The Earthは戦いに赴かんとする者、End The Earth IIは戦いに巻き込まれる者を描いていると考えられます。Synthapellaは声がないので、戦跡の風化を表しているのかもしれないですね。

Star Driver - The Snow in Hiroshima (2012 Edit)
FreeformではNightforceとして活動していたStar Driver。ピアノからHardstyleに転ずるところが良いです。雪が降る広島・・・雪は解けてまた雪になることもあるだろうが、戦いもまた風化して戦いになるのか。いや、我々は存命を賭けた戦いはしていないが、結局のところは平和の上で文明的な戦いをしているのだ。

Zatox - Opera
Hardstyleの有名なプロデューサーであるZatox。この曲はDiscogsではセルフリリースになってますね。曲名通り、オペラのような女性の声使いが特徴的です。もう少し違った展開があっても良かったのでは・・・とは思いますが、こういう女性ボーカルの曲は個人的に好みなので挙げておきます。

Epyx & Cyrez - Neverlasting
解散したEpyx & Cyrezが最後に発表した曲で、始動したElectronicaExposedのサブレーベル、Electronicamotiveからリリースされています。原曲はEverlastingですが、うねりは最小限に抑えられていて、綺麗にまとまっている。個人的には五指に入る曲かなぁ。

Nomic - Grayscale / Aryx & Alek Szahala - Byrgius
Rebuild Music Recordingsからリリースされた(最後とアナウンスされている)アルバム、Ain't No Grave。前者は、単純さと複雑さが同居している、綺麗でNomicらしい曲。後者は、AryxとAlek Szahalaの合作です。freeform.jpによれば、AryxはこれでFreeformのリリースを最後にするようです。ダブルショック。

Ace Da Brain - Depth Of Doom
Ultraformも曲を提供したことのあるレーベルVenom Recordings、それを運営しているのがAce Da Brainで、System Fを彷彿とさせるTranceから、Ultraformに通ずるHard Tranceまで作っています。次に、Theracords発のGeck-o & Sybase - Future Robot Xを聴いてみてください。

・・・そう、メロディが使われているのです。UltraformがTheracords傘下のTherabyteから曲をリリースしていることは、以前も記事にしました。DJのつながりが、Trance - Hard Trance - Hardstyleというジャンル・レーベル間、ひいては曲のつながりに影響を与えている好例です。私がダンスミュージックに魅了されるのは、こういう気付きがあることも大きな要因の一つです。

反対に言えば、私は13年ほど前から日本のポップミュージックに辟易していたのです。大手のレコード会社所属のアーティストは相互にコラボレーションすることが難しく、新たな作風にチャレンジしようとしないのだから、過去と同じような曲にはお金を払いたくない・・・音楽業界のCD売上が下落するのは、当然の成り行きでしょう。
AKB48のようなアーティストは、CDの売り方としてももちろん問題がありますが、(100万枚売れたとしても)人数比では2万枚強しか売れていない計算になります。デフレ時代に利益を出すという意味では成功事例に挙げられるかもしれませんが、事業として答えを出していません。オマケが強みの駄菓子が箱単位の廉価でよく売れても、菓子で答えを出していないのと同じことです。