【肩こりは気のせい?】
全国40人ほど(笑)と推定される陽だまりファンの皆様。
お待たせしました、久々の更新です。
などという昭和的な古臭い表現の仕方をしてしまうのは、おいらがいよいよ50歳の大台を目の前にしたオッサンが故の事だと、どうか大らかな目を以て微笑ましく見守って頂けると有り難く存じ候。
くっ…。
50かよ…
いやだ、いやだ。
さて、気を取り直して本題に進みます。
↑50年間、散々打たれてきたので、立ち直りが早い。
以前、ある本を飛ばし読みしていたのですが、それはお医者さん(女医さん)が書いた肩こりを治すという本だったと記憶しています。
散々、ああだとかこうだとか書いた揚句、そのあと書きに
「外来で肩こりがひどいと言って掛かっていた、ある患者の女性が、その旦那の経営する会社が倒産の危機に瀕し、夫婦ともども必死に駆け回って働いていたらいつの間にか肩こりが無くなっていた」
といったような内容を紹介していまして、結局肩こりは気のせい(なまけ病)なんじゃないの?、と言わんばかりの本音じみたことを述べておられました。
ひどい肩こりを持っている人が聞いたら気分を害するどころか、軽く殺意さえ覚えるのではないかと思います(笑)
ところでその一方。
出所は判然としませんが、実は、依然肩こりは気のせいだと言う説が、根強く蔓延って(はびこって)いるらしいのです。
ちょっとオカルトチックな香りのする(笑)その説の、論拠となるものは何だろうと見てみるとどうやら、
「肩こりを訴えるのは日本人くらいで、外国ではほとんど聞かない」というものに収れんされるようであります。
このこと自体、つまり国外では肩の凝りという言葉が無い、つまり概念が無いという話しはどうやら本当で、よく聞くことであります。
では、それを以て本当に肩こりは気のせいだと結論付けることができるのでしょうか?
あるいは日本人のみに見られる、民族的な特殊性から来る呪術的だとも思える症状なのでしょうか?
ちょっと考えてみましょう。
その昔腰痛は、何でもかんでもその原因として、椎間板ヘルニアに役割りが求められていました。
求められていました、と断言していいのかどうなのかは判りませんが、
求められていました(笑)
それが昨今ではMRIの普及により、脊柱管狭窄症に移りつつある感があります。
つまり腰痛を発症してお医者さんへ行くと、ほぼ必ずレントゲンを撮られると思いますが、それをする理由は、主として視覚的に認められるものを痛みの原因に求めるからです。
今日でこそ視覚的に認められなければ「腰痛症」として筋肉の問題だろうと認知されつつありますが、その昔は、“診断”しなければならないお医者さんとしては、映像に写らないと診断を下せず困ってしまっただろうことが想像されます。
ですので、重複しますがその昔は、椎間板ヘルニアでもないと腰痛の原因が判らず診断を下せないと困るので、陰に日向に(=学会でも対患者でも)ヘルニア、ヘルニアと何とかの一つ覚え的に騒ぎ立てていたのです。
ところがその後、腰痛の有る人たちと無い人たちを、それぞれのグループに分け映像を撮ってみると、
なんと!
有る人のグループと無い人のグループのそれぞれの、ヘルニアの認められる割合に、違いがない事が実験の結果として出てきてしまいました。
それはつまり、腰痛や神経痛の無い人たちの腰椎椎間板にさえ、ヘルニアが確認されたということであり、ヘルニアが痛みやシビレの原因かどうかが分からなくなったことを意味しました。
ちょっと笑っちゃいますよね。(´0ノ`*)
まあしかし、それは今回余談。
そうした腰痛の事情を鑑みますと、肩こりに関しても同じことが言えると思えませんか?
「せんせ~、肩がこって辛~い(ノ◇≦。)」なんて言われちゃいますと、さぞ、お医者さんは困った事でしょう。
肩こりはひどくなると、たまに手に痺れが伴なったりします。
で、頸椎あたりに問題がありそうかな、とレントゲンなんか撮りますと、頸椎の5番と6番の間が狭くなっていたりしまして、
あ、これだね、椎間板が薄くなっているから、ちょっとヘルニア気味だよ。
なんて言われたりします。
が、狭くなっている所と(しびれている手指の)神経支配の皮膚知覚領域が符合していなかったり、そもそも肩こりと頸椎5番に因果関係があるのかどうか疑わしかったり、第一手指にシビレが無かったり。
まして映像に何も異常が認められませんと診断は、「筋違い」くらいしかしようがない。
※「筋違い」は、多分正式な診断名ではないと思いますが。
が、筋違いですと、数週間で痛みは緩和するはずが、痛いまま。あるいは頸椎捻挫と言いたいが、その捻挫も足首ならこれも数週間で緩和するはずが、肩は2か月経っても3か月経っても痛いままなのは何故なのかわからない。そもそも筋を違えたり捻挫したりした要因が、思い当たる節が無かったりすると、不審さえ招きます。
てことで、肩こりは、気のせいのほうが都合がいいのでしょうね。
比較的良心的な病院ですと、理学療法士さんに回してもらえますから、(単純な)肩こりで病院に行くなら理学療法をやっている所を選びましょう。
「肩こりは気のせいか?」
その結論は、こんなところでいいでしょうかね?
あ、ダメか。日本以外で肩こりは無い、が何なのかまだ言ってませんものね。
これはおそらく、首、あるいは背中の痛みとして認知されるから、でいいと思います。
肩、ではなく首や背中。コリ、ではなく痛み、です。
それから。
日本人、つまりモンゴロイドとコーカソイド、二グロイドでは、若干骨格が違います。それは、大腿骨(モモの骨)の大転子と言う部分の長さとか、肋骨の形状だとか。
また、生活習慣の違いか、腰椎の前弯の度合いが一般的に違うと言っていいと思います。
日本人はモンゴロイドの中でも特に腰椎後弯気味。一方でそれ以外の民族では、腰椎は本来のあるべき前弯を形成しているという気が(個人的にかもですが)しています。
それが、その上部の頸・胸椎の負担のかかり方に影響するのではないでしょうか。
それから。
気のせいではないと思いますが、コーカソイドなど、身体全体に対して頭の比率の、小さいこと、小さい事。
5頭身とか8頭身とか、そんな言葉があるくらいですから、骨格のがっしりした土台に、割合としては小さい頭を持っていますので、肩の周辺にかかる負担は、日本人と比べるとずいぶん軽いのではないかと思えます。
肩こりは、腕の重さや胸の重さ(女性限定)もあるのでしょうが、それよりも、特に頭の重さとその負担がかかる首肩周辺の骨格的、あるいは筋力の、丈夫さに反比例して生じるのではないかと思っています。その時にもちろん、姿勢の問題も大いに絡むのですが。
また。
オステオパシーは、何度も言いますが、アメリカでお医者さんが始めた医学であり、お医者さんの間で使われていた医学です。
当然、しばらくの間はアメリカ人のみが対象でした。当然、主にコーカサイドや二グロイドを対象にしていた、ということになります。
その後ヨーロッパに渡り、オーストラリアや一部日本などに。
で、例えばカウンターストレインですが、これはテンダーポイント、つまり圧痛点という、
所定の筋肉が拘縮(緊張)を起こした時に、それに応じた所定の“触れると痛いポイント”を取り、
そのポイントの痛みが消える位置(姿勢)を90秒取るという技術です。
転じて考えると、こういうことになります。
肩こりの代表的な筋肉に、肩甲挙筋という、肩の肩甲骨上部から首の上の部分に渡って伸びる筋肉があるのですが、その肩甲挙筋が『緊張したという目印である圧痛点』は、存在します。
つまり、日本人が「肩こった」と感じる筋肉は、アメリカ人にも緊張が生じうることを意味します。
その他、僧帽筋にも、下部頸椎にも、上部胸椎にも、上部肋骨にも、
肩こりに関わる部位の筋緊張の目印である圧痛点が存在し、その緩和法もあることを考えれば、
アメリカ人にも、その割り合いこそ上記理由から少ないと思われるものの、
日本人にとって肩こりと感じられる部位の筋緊張は、明らかに存在すると言えます。
…お解りですよね?緊張が無いと、圧痛点は生じないのですよ。
誰だったか、いわゆる外タレと呼ばれる人がテレビに出ていて、話題が肩こりになった時に、
「アメリカでは肩こり、ないね。ボク?向こうでは感じたことない。日本に来て、感じるようになった」
な~んて言ってました。
きっと、日本に来て、その民族的な呪術に影響されてしまったのでしょう(笑)
肩こりは気のせいか?
ホントは、気のせいなのが一番なのかもしれませんが。