オステオパシーとは①


ーー発祥ーー


“通”の方を除いてほとんどの方は、これまでオステオパシーという、口が回りづらいこの言葉すら聞いたことがないのではないでしょうか。


それでも現在、インターネットで検索などすると、ホームページなどがかなり上がっていて、少しずつ認知され始めているようではあります。

今回は、オステオパシーについて多少(~よく)知っている方にとっては、ありふれた、つまらない内容になりますが、まだよくわからない方を対象に、少し長くなりますがご説明していきたいと思います。


「オステオパシー」という名称は、ギリシャ語で、骨を意味する「オステオン」(Osteon)と、病気や医学を意味する「パソス」(Pathos)を合わせた造語で、整骨療法とか整骨医学と訳されています。

とはいえ、最近では各団体が、そのまま「オステオパシー(医学)」で通用するようにしているようです。

ただ、私は一般の方にはそれではわかりづらいので、今のところ従来通りに整骨療法と説明することが多いです。


これはアメリカで1874年に、医師であるアンドリュー・テイラー・スティル(A.T.Still)という人が始めたものです。

彼がある年、自らの子供を髄膜炎で、それも立て続けに3人も亡くしてしまい、医者であるにもかかわらず、何もできないでそうさせてしまった自らを悔やみ、また、当時の水銀などを用いる治療法に疑問を感じ、何かほかの方向から人の健康や生命にアプローチできないかと考えたといいます。

そんな時、彼の診療所に来る患者たちを観察し続けていたところ、患者の大半に、体に固いところ(動きや筋肉)があることに気付いたというのです。

それを足掛かりに研究をしたのち、上記の年にオステオパシー医学としてスタートしました(国によって違いがありますが、アメリカではオステオパシー医師は、医師そのもので、手技のみならず、メスも使いますし薬も用います)。



手術、投薬、注射などに拠(よ)らずに、手技を以てさまざまな痛みや不調、時に難治性の疾患にあたるその医療は、その後いく人もの優秀なオステオパシー医師たちによって発展を遂げ、そして欧州などにも伝わり、今日に至ります。

ただし、だからと言って何でもかんでも手技で対処できるものではなく、おのずと限界があります。

また、医学と言ってもオステオパシーは、科学的な傾向を強く持つ一方で、自然治癒力に働きかけるもので、その身体、生命に対するとらえ方は、しばしば東洋医学的であります。


そして、日本ではオステオパシーは残念ながら民間療法の範疇で、整体に属すると思います。

もちろん私も、民間のイチ整体師です。