田勝 浩志


秋のペット用品展示会場である、大阪南港へと高速を走らせていた。




スタッフも乗せて、雑談などをしながら「若宮カーブ」に差し掛かった時




            「猫や!!!」の声が




カーブ付近の柵にちょこんと座った子猫がいたんだという。




迷わず「警察に電話しよう。私が保護するから助けて下さい!」と言おう。




「もうすでに通報が入っています。今現場に向かっています。」




「そうですか。よかった。。。保護した子は私が飼いますので。」




「わかりました。捕獲後、またご連絡しますので」




「お願いします。」そう答えると、そのまま車は東へ。




深江出口から湾岸線に向かう途中、先ほどの高速隊員から連絡が。




「今捕獲して水上警察で保護してますが、いつぐらいにこちらへ




来れそうですか?」と聞くので「今大阪に向かってますので




夜の9時頃になります。」そう言うと「今すぐでは無理ですか?書類などが・・・」




「わかりました。今深江なので15分ほどで戻れると思います。」




「お願いします。」そういうやり取りの後、その子猫に対面する。




「ぐったりしてまして病院に連れて行こうとしてるのですがどこがいいか




どこがあいているのか。。。」そう隊員さんが言う間、”拾得物”なる報告書に




サインを。「私の知ってる病院に連れて行っていいですか?」そう言うと、




「飼い主さんに請求しますので領収書をお忘れなく」と言われたが、




「飼い主なんかいないよ。野良か捨てられたんだよ。」と心で言った。




網にくるまれたままのその子猫を連れ、さらに西へ戻ること




になった。動物病院での診断の結果、下半身の複雑骨折により腎臓が機能




していないことが判明。非常に危険な状態だという。




管で尿を抜かねば、体の中に毒素が残り、死に至るという。




「食欲はあり、生きようと懸命です。なんとか助けてあげたいんです。




お金のことは心配しないでください。」そう言ってくださる素晴らしい先生。




私たちはすべてを託し、再び大阪へと向かいました。






    というのが、HICOさんの体験談です。




3日後、具合を看にいった時の様子が上記の写真です。




HICOさんに挨拶をするように、一度だけ『みゃー』と




    力なく鳴いたそうです。










警察の話によると、どうやらサービスエリアで殖えた




子猫が誤って本線に入ってしまったらしい。




それならまだしも、ここへ放置していった人間がいる可能性がある。




もともとサービスエリアへも無断で放置した人間がいるから




殖えたのであって猫自らの足でサービスエリアへ




わざわざやって来たとは考えにくい。




浅はかで愚かな人間によるこういった行動は、




ペットブームによる「命の重み」を感じなくなったブリード及び




それを助長する販売店の増加。あの巨大スーパーも大手繁殖・販売店と




業務提携している。これは大変なことになった。




政党の息がかかる超大型店舗がブリードに手を出しては。




しまいには「PB」などと謳って、犬猫を販売しないか




    今から非常に心配だ。(田勝浩志)