EC戦略決定フレーム

 

 

今日はECにおける販売促進の戦略決定フレームについて書きます。

 

色んなことをやっているのに結果がついてこない。

何を注力すればいいかわからない。

 

こんな方がいらっしゃったらぜひ一度読んでみてください。

 

例えば冷蔵庫などの家電製品を扱うお店と、

自家製の餃子を扱う食品のお店と、

やるべきことが違うような気がしませんか?

 

ECでは商品ジャンルごとに特性があり、

成果が出やすい戦略はジャンルで大きく違います。

 

 

 

カテゴリー別マトリクス

 

 


このようにマトリックスを使って分類します。

 

右に行けば行くほどコンバージョン率(CVR・転換率)が高く、衝動買いする商品。

左に行けば行くほど、よく比較検討する商品です。

 

また上がリピート率が高く、下がリピート率が低いものです。

 

それぞれよポジションによって特性ととるべき販促戦略が全く近います。

 

 

 

【A】リピート高&CVR高い 

 

図のAの領域

 

  • 食品
  • 健康食品
  • オリジナルコスメ

などが該当します。

 

リピート率が高く、

衝動買いもしやすい領域です。

 

 

特徴

  • 比較的高粗利
  • 単品リピートモデル
  • 検索から流入少ない
  • 新規獲得が比較的困難

 

 

打ち手

  • リピートの追求
  • LTVを指標とした新規獲得の仕組構築
 

リピートを追求していく、単品リピート通販モデルです。

PB商品など高粗利での販売ができることが多いです。

 

反面検索からの流入が少ないので新規獲得の仕組みを作ることが課題となる方が多いです。

広告を活用することが最も多い商品群です。

 

立ち上げ当初や成長期は、まず新規獲得後のリピートの仕組みを整えてたら、自社にあった新規獲得施策をひたすらテストして行く運営になります。

 

シェア獲得後は商品を増やして別のシェアを獲得していきます。

 

 

 

 

 

 



【B】リピート高&CVR低い

 

図のBの領域

  • 日用品
  • スポーツ用品
  • ファッション
  • ペット用品

 

などが該当します。

 

リピート率は比較的高いですが、他社と比較検討されやすい領域です。

 

 

 

特徴

  • 比較的薄利
  • ロングテールモデル
  • NBも多い
  • 検索流入が期待できる
  • 新規獲得はしやすい
  • ユーザーはリピートするが同じお店で買わないケースも多い

 

 

立ち上げ当初はまず品揃えの充実が肝となります。

しっかり商品登録ができればそれなりに新規もリピートも増えると思います。

 

価格弾力性が強いので売価の調整だけでもある程度の新規獲得とリピーターは獲得できます。

 

例えばトイレットペーパーもこの領域ですが、ユーザーはなくなればリピートしますが、前回買ったお店で買いたいというよりは、再度検索して今一番お得なお店や発送が早いお店で買う傾向があります。

 

 

打ち手

  • 商品の充実
  • フロントエンド商品の競争力維持
  • 送料バー等による単価UP施策
 

フロントエンドとロングテールの粗利ミックスで利益を出していくイメージです。

 

特にフロントエンド商品でリピートを高められたらお店自体のリピート率が上がるので、競合チェックと対策は毎日行いましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

【C】リピート低い&CVR低い

 

図のCの領域

  • 家電
  • 家具
  • 楽器
などが該当します。

 

とにかくリピートが期待できません。

 

そして特に家電などの型番品に代表されるように、ユーザーが他のお店の商品と比較検討して購入するため価格競争がとても激しい商材が多いです。


 

特徴

  • 薄利多売モデル
  • ロングテールモデル
  • NBも多い
  • とにかく検索流入
  • 新規獲得はしやすい
  • リピートは限りなく少ない

 

打ち手

  • とにかく商品数(在庫持たない販売も)
  • ニッチから徐々に広げる
  • フロントエンド商品育成
  • 薄利多売&規模の経済性
 

検索やランキングで以下に上位に、いかに沢山出てくるかを追求します。

 

初期は商品数をとにかく増やします。

 

ロングテールによって売上と利益を作るのですが、中でも売れ筋に関してはOEMなど在庫を沢山持つことによって原価の改善や即日出荷の対応など他社と差別化できます。

 

 

 

 

 

 

【D】リピート低い&CVR高い

図のDの領域

  • 該当なし
Dの領域はデータ分析上該当する商品が少ないです。

 

ここに位置するお店は、C領域のお店で薄利多売のロングテールから少し脱し、オリジナル商品で市場シェアを獲得したお店や、強烈にフロントエンド商品の売上を伸ばしたお店がDに位置します。

 

しいて言えば、C領域のお店が次に目指す領域と言えると思います。

 

 

 

 

 

 

 

  優先的にやるべきことが分かる

 

 

このように商品やジャンルごとの特性を知れば、優先すべき施策やアクションが浮かび上がってきます。

 

闇雲にやったほうがいいことを乱発するより、一度商品にあった施策を整理してみましょう。

 

今回は具体的な打ち手までは書いてませんが、別の機会に事例とともにお伝えします。

 

ご覧いただきありがとうございました!

また次回もお楽しみに♪

 

 

 

 

 

 

 

紳士服店様のEC化を加速させた事例

 

某紳士服店様からEC事業の強化をご依頼いただいた時のプロデュース事例です。

 

ネット通販のデメリットを、メリットに変えてEC化を加速させたお話しでございます。

 

 

当時の状況

  • プロジェクト前のEC事業の月商規模:約100万円前後
  • 商材:メンズスーツ、ワイシャツ等
  • プロジェクト当時は団塊の世代の引退の逆風
 

 

紳士服業界を変えよう

紳士服業界は当時「団塊の世代」が定年を迎え、スーツを着る人口がどんどん減っていくという逆風の中にありました。

 

その逆風で各社ともEC事業にはすでに着工済みだが、採寸や試着が当たり前のスーツ

販売の常識もあり、どの会社も苦戦しているという状況でした。

 

私がまず提案したのが、スーツをネットで買うであろう人が必ずクライアントのページを通る、各種広告による導線ジャックを提案しました。

 

先方役員様と担当者様とも「紳士服業界を変えよう」と団結してプロジェクトが走ることになりました。

 

 

大型プロジェクトの開始と苦悩

早速、クライアントの楽天市場店にてスタートした紳士服業界革命プロジェクト。

ページを整え、各広告を手配等の準備が着々と進んでいきました。

 

広告のスタートは11月。

最初のターゲットはECが最も盛り上がる12月。


スタートした11月に早速プロジェクトは暗雲が立ち込めました。

 

投じた1,500万円の広告費。

 

対して売上は1,000万円程度。

 

元々の売上からはもちろん伸びてはいるものの期待には500万円以上及びませんでした。

 

「やはりスーツはネットでは売れないのか。。」

 

原因はアクセスは取れているものの、CVRが悪いことでした。

 

サイズが違っても返品OKなどの解決案もでましたが、補正まで加えて発送するスーツは返品できないなどの問題もあり、具体的な解決案が出ないままターゲットの12月を迎えることになりました。

 

 

不良在庫をオークションに

スーツのマーケットが未成熟だったことから、概念を覆す破格のスーツが販売できないか?という提案も、原価割れしてしまうから難しい。実店舗との兼ね合いがあるから難しいと平行線をだどっていました。

 

「不良在庫のスーツならアウトレットとして販売しても大丈夫」

 

こういった先方からの情報で早速マーケティングを開始することになりました。

 

メルカリがなかった当時CtoCのチャネルはオークションが全盛期でした。

 

楽天市場内でも出店店舗が使える楽天オークションの機能がありましたので、

1円から入札を開始して最高額を付けた方が落札というモデルでオークションを開始しました。

 

先方にそういった作業リソースがなかったため、私自身が日中に通常業務を終えて、ほぼ寝ずに深夜にオークション登録をするという作業を13日間会社に泊まって続けました。

 

約1,200商品登録し、オークションによる売上は広告費を使わず約1,000万円でした。

 

後半の平均落札単価は8,000円~10,000円。

 

中には1万円を超える落札もあり、このマーケティングを元に新商品が生まれました。

 

 

 

届くのがワクワク!スーツ福袋

手に取れない、採寸できない、試着ができない。

 

結果失敗したくないから買わない。。

 

こういったスーツのEC販売のハードルを、

 

「何が届くかはわからない」

 

「選べるのはサイズだけ」

 

「高級ブランドスーツが入ってるかも?」

 

スーツ福袋

 

と題して9,980円で販売することが決定しました。

 

実店舗で買うと定価が2万円~10万円以上の不良在庫となったブランドスーツを福袋して販売しました。

 

徐々に人気に火が付き、12月の売上は約3,800万円を突破しました。

 

 

 

他の紳士服店もこぞって展開

翌1月以降は広告費をどんどん縮小していってるのにも関わらず、

平均して月商3,000万円を売り上げて、スーツのECとしては異例の売上を続けました。

 

また一度ECを経験したユーザーが通常のスーツやワイシャツなどの購入も徐々に増えて相乗効果も生みました。

 

瞬く間に業界内で噂になり、競合他社もスーツ福袋をこぞって展開し、紳士服のEC化を少しながら活性化した貴重な経験をさせていただきました。

 

 

失敗を成功に。

 

デメリットをメリットに。

 

挑戦を続けたプロジェクト事例でした。

 

 

以上、次回の更新もお楽しみに!