著者がすでに数冊のエッセイを出版していたことを、まったく知らずにこの本を読みました。
これは、そんなエッセイからの選り抜き集のようです。
ジローラモさんはイタリア南部のナポリ出身だそうで、この本も主にナポリについて書かれています。
だから、日本とイタリアの比較ではなく、南イタリアの市井の人々の様子が主に描かれてありました。
ただ、唯一、日本をチクリと書いている部分があって、
ある日、銀行(だったかな?)に行ったジローラモさんが、カウンターの向こうにずらりと居並ぶ行員たちが、自分の仕事を素早くそして、ミスをおかさぬように取り組んでいる姿を見て、「彼らは機械になろうとしているんじゃないか」と感じた、と。
そんな章の締めくくりに、
「多くの人間が社会生活を送るうえで、基本的なルールは必要だと思う。
しかし、人間あっての社会なんだから、決まりだけをきちんと守って、『ぼくは誰にも迷惑をかけていません』と生きていくのは、ちょっとさみしい気がする」と書いてありました。
ここんところに、私はハッとしました。
私に限らず、ほとんどの日本人が親から学校の先生から
「周りの人に迷惑にならないように」、「人に迷惑をかけないように」と言われて育ったでしょう。
その言葉が刷り込まれているあまり、私は誰にも迷惑をかけないから、あなたもね、みたいな、「迷惑をかけられることを許さない」社会になっている気がします。
不景気になると、世の中がギスギスするのは当たり前。
でも、「そういう人もいるよね」とか、「ああ、あの人ね、いっつも嫌味なこと言うよね」って周りの人とシェアして、目に余るようならこちらの思いを伝える、でも、その人が謝ることは期待しない。だって、こちらの方が人間が大きいんだから。
分かってもらえたらラッキーぐらいの気持ちで、みんなが気持に「のりしろ」部分を持てたらいいのにな、と思いました。
最後に、この本を読んでいるとイタリア語を習いたくなりました。
Summer readingにおすすめです!
