いい本読みました。
■『まちの本屋』田口幹人、ポプラ文庫、2019
2015年ポプラ社から出版され文庫化されたもの。
岩手県盛岡市「さわや書店」での活動を中心に、本の売り方、売るタイミング、本屋を利用してくれる地域の方とのかかわりなど。次の展開が知りたくて読むのが止まりませんでした。
なかでも書店を利用する方と関係を築くことを”耕す”という表現をされています。
書店に来た方に本の場所を尋ねられたとき、ただ「こちらにあります」と書棚まで案内するだけでなく、その人と会話をする。
本屋にいらっしゃるたび少しずつ、最初は一言の挨拶だけかもしれないけど、そのうち本の好みなど聞けるかもしれない。それが”耕す”ということ。
人とお店の関係を”耕す”、新しい表現ですよね。さらに耕した地盤があったから、その後の様々な展開にもつながっていくのが面白い。
本への愛情と仕事への熱量の大きさに、思わず私も本屋さんになりたい!と思わせる、本屋さんがうらやましくなる一冊でした。
■『失われた感覚を求めて』三島邦弘、ミシマ社、2014
地方で出版社をするということ と副題にあり東京ではない地方で出版社をする選択をし、新しい試みとともに経営を軌道にのせていく話。
企画、編集から印刷、販売まで、本ができあがるまでたくさんの人の手によっている。そう思うと一冊一冊が感動ですね。
あとがきの「本を愛するすべての人々にとって、喜ばしい世界が待っていることを...」は、心揺さぶられる言葉でした。
この本、なにより装丁がとても好き。落ち着いた色合い、紙の手触り、清々しい白い栞ひも。すべてが読んでいて気持ちがいいにつながっているようです。
■『日本でいちばん小さな出版社』佃由美子、晶文社、2007
行動力と度胸があって仕事をどんどん前に進めていく姿が頼もしい。なにより読んでいてとても面白い。
■『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏2003~2008』岩田博、岩田書院、2008
『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏』岩田博、無明舎出版、2003
経営についての開放的な話や、本を書く人、本を買う人、その間の人と支え支えられるつながりがうかがえる話など。
出版順を新しいほうから読んでしまったが、2冊目のあと、すぐに1冊目を読んでみたくなりました。