末期の儀、お通夜、告別式、滞りなく終わった。
発症から8年、施設に入ってから3年、苦しい体からやっと開放された。
以前の半分以下の体重になって、顔も別人のように痩せてしまったけど、穏やかな顔をしてた。
中卒で働き、40歳くらいから通信の高校を卒業して、仏教の大学に行って学んでた。何かの合宿セミナーから帰ってきた時に「私はこれから久善(くぜん)と名のる」と数年間、久善を通した(その後、元に戻った…)
面白い叔母だった。
戒名が釋久善になった…。
骨上げの後に姉が言った。
「また1人、味方が減ってしまったね」
寂しさはあるけど、少し清々しい気持ちでお疲れさまって気持ちやって答えた。
葬儀からの帰り、姉が言った。
「あんた疲れとんちゃう?」
「また唇を噛む癖がでてきとるで…」
子どものころ僕は唇を噛む常同行動があった。
姉は思ったことをすぐ口にする
僕は言わずにためて唇を噛む
庭先の梅は見頃を過ぎた。
悲しいことが多いと誰だって疲れる。
よく休んだら、よくなる。