翌日家屋の状況をあらためることにしていたため20:30には肉親との会食後はそれぞれ
の宿泊先に戻ることにした。そして迎える翌日は序盤はゆったりと進む。
 家屋内は湿気も多く水分が浮いた箇所に加えガラスや木材の破片があることから土足で
あがるよう勧めたが肉親には思い出のある建物なのでそれを嫌い、外観を視るにとどまる。
自らはブルーシートのたるみを張り直し、放火に利用される可能性のない不燃物を外壁沿い
に並べて部屋と物の乾燥を早めるよう移動できる物は移動し蔵置範囲の拡大を図っていた。
 傍ら自身ではその時には気が進まなかった近所への挨拶には肉親にまわってもらって、
一人じゃ何もできないことをひしひしと感じていた。そんななか不自然に荒れた父の寝室に
気がつく。妙な臭いもしていることから鼠などが入り込んでいるのではないかと思い全ての
ドアを閉めて市役所に改めて父の死亡により以後どのような手続きが必要なのかを確かめに
行くことになった。
 近所の話では父の死亡は意外だという受けとめが多く、救出時に手助けしてもらった方は
普通に話していたのに火傷というのは恐ろしいと言っていたらしい。それと戸締まりがまだ
できないことについて近隣住民は一様に漠然と火事以外の事件が起きるのではないかと不安
であるようだった。向こう三軒両隣とはよく言ったもので一件がそうしたことがあると同期
したかのように自らのこととして考えてくれているようだった。
 火災の見舞いを下さった方がありお返しを肉親が選びに午後は別行動になった。さすがに
香典というのは後日いただくことになったが地域の動揺もすこしずつ感じてきた。

⭕承前のこととなるが『火葬許可証(埋葬許可証)』は死亡診断書(コピー可)との引き換えに
 なり私の場合は斎場の利用料金を払うことが即ち火葬許可証の発行となる自治体の方式
 なので何処も同じかどうかは判りません。市外の方のご遺体の場合は3倍の金額が必要
 となっていたので何となく不思議に思ったものです。

写真は父の寝室入口で消防 活動とは余り関係ない箇所が荒れており何かしら侵入があった
という疑義が生じる。