認知症ギリギリ未満の要支援1の親を見守り介護中の甘夏っちゃんです!
後期高齢者の独居親のポンカンさん()はウォーキングやデイケアの体操教室は積極的に取り組むのですが脳トレには腰が重い。
パズルみたいな脳トレドリル、1日5分だけやってみない?
お金の管理に家計簿...6/14スーパーで1,280円とかざっくりレシートごとでやってみよ?
病院やデイの予定や友達との約束はカレンダーにすぐ書いておいたらどう?
・・・など、忘れないための工夫や思い出す訓練を勧めてみるのですが、
うーん、まあ...覚えてるから大丈夫
と全然乗り気になってくれない、覚えてるから必要ないと言う。でも明日になったら忘れるじゃん?
昨年認知症テストを受けた脳神経科の医師にも、反復する練習やドリル・思い出せなくても時間をかけて思い出そうとすること自体が脳トレです全力でとりくんでくださいっお母さんの心がけ次第ですよって念を押されてるのにぃ〜
先日も新しい病院までの行き方を覚えねばならないというミッションがあった。電車に乗り継いで行く遠い病院から家の近くの病院に転院したいと本人の希望があったから。
私は近くの専門医を探し、最短距離のわかりやすいルートを調べ、帰省の折に一緒に初診に行き目印などを確認した。2回目以降1人で通院するときは、隣の駅前2分だしスマホで私が道案内もできるし、タクシーでも2,000円かからない距離だし、なんなら介護ヘルパーさんに付き添いを頼むこともできるからと何重にも安心サポートのバリエーションを考えて伝えていた。
そしていよいよ1人通院の前日、ポンカンさんはルートの予習をしようと病院まで行ってみることにした。
いつでも私に電話してと伝えていたので、隣駅の改札から電話をしてきた。最寄り駅のホームのどの辺で乗車すればいいかとかどっち側の改札を出るとか、もっと手前の段階から心配をしていたが全然問題なく電車に乗って隣駅の正しい改札口までは移動できたようだ。
1ヶ所、見えにくいところにあるエスカーレーターの場所だけ思い出せずに電話で導いたが、それ以外はアレを目指したらいいんだよね〜
とサクサク自分で進んでいけたのだ。
オカン、まだまだ記憶力大丈夫じゃーーん
バッチリだね!などと電話でおだてつつ、無事病院へ辿り着けた。
念のためにそのまま帰りのルートも確認したいとのこと。今来た道を戻るだけなのだが、歩き出すともう忘れていた。あちゃ〜〜〜
電話は繋ぎっぱなしにしておいてほしいと言うので、少し進んではここ降りるんだっけ?上がるんだっけ?という実況中継につきあって電話で道案内をした。また少し進んではどっちへ行くんだっけ?と頻繁に聞き、そのうちあら〜子供が遊んでる〜などと通院とは全然関係ない情報を入れだした。
ちょっと待て...行きより思い出せなくなってないか?
なぜなんだ?行きはほぼ自らの記憶(1ヶ月くらい前の)でサクサク進んでたのに、私と通話しながら今きた道を戻るだけなのに右も左も上がるも降るもどこへ向かっているのかも全然わからなくなってるじゃないか、こ...これが認知症の短期記憶のヤバさなのか?
電話口の向こうでどっちだった?と10歩置きくらいに聞いてくる高齢者の物忘れ具合にビビったが、私はすぐに冷静になった。なんか変だぞ?これは本当に物忘れ症状なのか?
私は気づいた、ただの注意散漫ではないかと。
スタート時はわからなければ電話するというスタンスで、本人も必死で思い出そうと集中してミッションに臨んでいたはずだ。ところが無事病院に辿り着きよかったとホッとして帰りは私とおしゃべりしながらルンルン
で歩いている。
今は何が見える〜とかこれは覚えててよかった〜とか階段の手すりをつかむね〜とか今視界に入ったものや自分の気持ちや行動などを実況中継しながらお気楽に歩いているだけで、
記憶を思い出すことにぜんぜん集中していない。
おしゃべりすることに比重を置き注意散漫、通話してるからすぐ聞けばいいやってなもんで、行きほど一生懸命思い出そうとしていない、だから10mや10歩ごとに指示を仰いでくるのだ。
自分で考えようとしていないだけじゃん!!
これでは脳トレにならないと悟った私は電話を切ることにした。歩きスマホは危ないから一旦電話切るね、行きはほぼ覚えていたのだから帰りも自分で考えながら歩いてみて、わからなかったら人にぶつからないところで立ち止まってからいつでも電話かけてきてねと。
ポンカンさんはブーブー文句を言ったが、私はここはあえて脳トレをしてもらうことにした。おしゃべりに夢中になって注意散漫になっとるやないかい、教えてもらおうとして自分で思い出すこともやめとるやないかい。そんな感じだとなんの練習にもならないし覚えられない。あと歩きスマホ危ないし、注意散漫なよろよろしたおばあさんが道の真ん中やエスカレーター付近で急に立ち止まったりしたら通行人にも迷惑だ。
娘に褒めてもらったり優しく教えてもらうプレイを楽しみたいポンカンさんは不安だとかいろいろ言って引き止めようとしたが私は電話を切った。結局その日はもう電話はかかってこなかった。
昔から依存心が強くやたらと不安を訴えて手取り足取り世話を焼いてもらいたがるが、それを鵜呑みにして手厚いサポートを10年した結果、自発的に取り組むと言う気持ちの衰えを加速させてしまったという反省が私にはある。認知症の崖っぷちで踏みとどまれるかどうかの瀬戸際、できる脳トレには取り組んでもらわねば。
翌日の通院本番時も、いつ電話がかかってきてもいいようにスタンバイをしていたがポンカンさんからの道案内要請はなかった。帰宅しているであろう時間帯に確認の電話をしてみたら、診察の1時間前に着いたので病院の近くでお茶飲んだよ〜とアッケラカンと言うではないか。
ほら〜1人の方が全然できるじゃん!
本当に忘れているのか依存心から不安になっているだけなのか、見極めは難しい。でも取り組まなければ急勾配で坂を転げ落ちる未来が目前なのは確かなのだから医師の推奨に従って脳トレを促そう。
道も覚えてた上に新しいカフェまで見つけちゃったの?すごいじゃん
そうなのフフフ〜意外と早く着いちゃって近くにお店がいっぱいあったから〜
へえ〜じゃあ次回から少しずつ探検できるね素敵なお店とか見つかるかも(好奇心への誘い)
...ううん別に店には用事ない(なにかを察して心のシャッターが閉まる音)
そっか〜また一緒に探検しようね、次回のために地図とかメモしておいたらどう?
ううん、覚えてるから地図はいらない
ん〜と、次回の通院は1ヶ月先でしょ?念のため目印とかカフェの場所とかメモしておいたら?記憶が新しいうちのほうがいいよ!
いやもう覚えたもん、覚えてるんだからメモなんかいらない!
いやだから...昨日教えたエスカレーターの場所を忘れて今日は階段登ったんだよね?...昨日の今日でも忘れてたんだから1ヶ月先覚えてるかどうかわからないし念のためね...書いておけば次回不安になった時も見返せるメモがあれば安心でしょ?...どうだったかなとか何を目印にしたかなとか思い出すのも脳トレだしそれをメモに書いてみるのも脳トレよ...
要らん!覚えてる!(ドヤァ)