もう7〜8年の戦いになりますが(笑)
友達と介護始めの話になると必ずと言っていいほど、
物の整理の問題になり、
そして親は物を捨てたがらなくて困るという話になります。
うちの親(ポンカンさん:仮名)はもともとお片付けが得意ではないタイプです。
目の前からザーッとどけてそれで片付け完了(笑)
そして買うの大好きもらうの大好き、
しかし整理や捨てるのがなかなかできないという三重苦。
ポンカンさんは片付けられない人の典型なのであります。
ポンカンさん若い時から部屋はきれいでお花を飾ったりするのは得意でも、
冷蔵庫の中や引き出しの中はごった返していたタイプでした。
なので今片付いてなくても認知症だと慌てるのも違うかなと私は思っています。
昔から興味がない・できてない・苦手なことなのだから、
歳をとってますますやらなくなっても当たり前だと思うんです。
不得意科目をめくじら立てて問題視したり、
心配のあまり向上させようなどとやっきになるとお互いストレスだと思いました。
なのでできるだけ緩やかに、
定年後の燃え尽き症候群の冬眠状態から目覚めたら、
まずは家の片付けを少しずつするようポンカンさんを説得することにしました。
ポンカンさんの言い分はいつも同じで、
・気が向いたらやる
・まだ使えるから捨てるなんてもったいない
・痩せたら着るかも、あったら使うかも
働いている時と同じ理由のままで(笑)定年後もそのまま数年が過ぎました。
長期戦の覚悟ともに、絶対にやらせるという覚悟も必要でした。
やらずに放置すれば、能力的にできなくなるからです。
お盆や正月に帰るたびに不用品の処分をするよう言い続けました。
通勤をしていたポンカンさんは大変な衣装&靴・バッグ持ちだったので、
数年着てない服・サイズが合わない服は捨てるようお願いしました。
そうするとポンカンさんは、
まだきれいなのでで着られる・友達が着るかもしれないから置いている、
というような言い訳を繰り出して手放そうとしないわけです(笑)
あるあるですね。
ところがそれらをよく見てみると、
食べこぼしのシミやほつれなどもチラホラ・・・いや結構あるぞ。
視力も衰え、着たままポイっとその辺にかけて、
そして着たことも忘れてクリーニングにも出さずそのまま・・・ヒョエー(°▽°)
それはもう維持管理能力の範囲を超えているということですし、
ましてやいくら高価でもそんなもの他人様に差し上げられません。
ポンカンさんの場合は買うのは大好きなので(片付けられない人あるある)、
着てない服を一掃すればスペースができてまた新しい服を買えるとそそのかし、
コロナ禍でお友達に会う予定も当分ないんだからと一旦捨てさせました。
その数、ゴミ袋で20袋分くらいはあったんじゃないでしょうか。
何年もかかりましたが、
物量が減るということは片付け・掃除の第一歩なんだなと改めて思います。
1番の難敵は「気が向いたらやる」という先延ばし癖です。
誰しも苦手なことを率先してやろうとは思いません。歳をとったなら尚更です。
でも、どこかで区切りをつけさせないと気が向く時などやってきません。
気長に言い続け、少し片付いていたらいっぱい褒める、
どうしても捨てたくなさそうなものは一旦残すことを勧める、
押したり引いたりして、
管理できる範囲の物量とはどれくらいなのかを、
ポンカンさん本人にわかってもらうことが大事だと思いました。
もちろん仏の顔ばかり見せてはいられない時もありました。
せっせと帰省して掃除をしまくっている私が小言をこぼすと、
そんなのあなたがマメに帰ってきてやってくれればいいじゃない!
とポンカンさんは言うようになりました。
サポートのつもりでしたが、いつのまにか当たり前になってしまった。
娘がやるんだから自分はしなくたって良いのだと思うようになったんですねー。
したくてもできないことをサポートするのは子の務めだけど、
できるのにやりたくないことまでは知らないよ、とその時初めて言いました。
私はあなたの奴隷じゃないし、ダスキンさんにでも頼んでやってもらえ、と。
やりたくないことをやってもらえると履き違えないでよ、
私の純粋な優しさや感謝の気持ちを搾取しないでよ、とはっきり言いました。
今の自分の姿を冷静に見てみてよ、
それが60代(当時)の老後の女性の生き方としてまともなの?
親として大人としてそんな姿を子供に見せたいの?
私が老いというものをあなたの背中を通じて学んでいることを忘れないでね、と。
そして、散らかった状態が続くようならもう帰省しない。
私だって毎日遅くまで働いて疲れている、貴重な連休を里帰りに使っている、
それなのに毎回メイドのようにゴミ屋敷の片付けさせられてもううんざりだ、
片付いてないなら帰りたくない、と言いました。
辛辣なことも言ったと思います。
でも最終的に一人の人間対人間の対決ですから、
親だの子だとのいうフィルターをとっぱらって腹を割って話さねばなりません。
子供という立場から言うだけではなく、
成長した大人として毅然と理で諭さねばなりません。
それでいて、親の生き方を理解したり、
子に尊敬されたい気持ちを汲んだり、
大人になってもまだ親の生き方から学ぶことがあるのだと伝えることもとても大切だと思いました。
実は隠れてトランクルームを契約するほど物があったのですが(!)
何年かかけてポンカンさんは物量を減らすことに成功しました。
管理能力の衰えとのバランスが取れる量にはまだ至っていませんが、
片付いて本人が一番すっきり気分が良くなったようで、
それ以後はがんばってキープしています。
次回は片付けのキーポイントになる「家具」について書きますね!