家を出てすぐべーは立ち止まって俺に言う。
「やったったわ。」

俺は言いたいことが山ほどあったが
べーの話を聞くことにした。

するとべーはポケットに手をつっこんで
あるモノを出した。

手にいっぱいの
ポケモンふりかけ。

なぜこれを選んだのかも不思議だが、
こういうやつなのでツッコむこともしなかった。

相変わらず手グセの悪いやつだ。

明日の昼休みにそれでご飯を食べよう。
なんて気の抜いたことを俺は考えていた。

そうだそうだ、俺はべーに話したいことがあったんだ。

その瞬間に俺の右肩に激痛が走る。

べー「どした?」

俺「いや、なんか撃たれ…」

2度目の衝撃。

そして背後に感じる殺気。
背筋が凍るような視線。

べーと俺は同時に振り返り、上を見上げた。

そこには二階の窓から上半身だけを少し出し、感情の死んだ目で俺らを見つめるオグ。

オグの手には黒いモノ。

黒のエアガン。

オグはゆっくりと構えて
引き金を引いた。

動けなかった。

その黄色の球はべーの左腕を撃ち抜き、
ポケモンふりかけが散る。

バカな俺でもわかる。
オグは怒っている。
ポケモンふりかけを盗んだことに怒っている。

やっと俺の思考回路が復旧し
今自分に起きている現状を理解することができた。

俺「べー走れ!」

俺らは無惨に散ったポケモンふりかけを背に走った。



自転車を置いた場所まではすぐだった。
これでひとまず身の安全は確保できた。
オグの家ももう見えない。

息を切らしながら俺とべーは
オグの家での出来事を整理した。

・ダーツの的が狂気に満ち溢れていたこと
・普通のエアガンではないこと
・ポケモンふりかけを盗ると怒ること

俺らはオグの触れてはならない一面に
触れてしまったのだ。

日が落ちてきて暗くなってきた住宅街をべーの自転車に乗りながら抜けていく。

今は涼しいくらいの風に吹かれながら
俺とべーは一言もしゃべらなかった。

おそらくべーの考えていることは俺と同じだろう。

『リベンジ』。