池田仙三のこと | まっすぐ曲がっております

池田仙三のこと

努力した成果が形になって必ず表れる世界であればそれは単純で、未来はとても明るい。
ただ、逆にそんな世界ならもしかしたら誰も努力そのものをしなくなるのかも知れない。

いつか、その時が来たら取り組めばいい…

そう考えて、ただ時間だけがいたずらに過ぎて
気づいた時にはもうどこにも行けない場所にただ立ち尽くすのみ。
そんな当たり前の結果は割りとよくある話なのに、人は何故か自分だけは違うと思って生きている。


写真の男である池田仙三は、来る8月20日ディファ有明で行われるキングオブパンクラスフライ級タイトルマッチに臨む。
ボクシング出身で8戦無敗、なにより新人王まで獲得している。しかし、こんな輝かしい戦績を残しているにも関わらず恐らくその事実を知っている人間は多くない。
その現実を生きて池田仙三は総合格闘技のタイトルマッチにまでたどり着いた。


文章にしてしまうととても陳腐で軽いものになってしまうけれど、俺はこの男ほど人生を耐えてきた人間を他に知らない。



仙三の体格からすればフライ級という階級は決してベストではない。
プロとして、当時その枠しか入れなかったという現実からも逃げずに無駄以上のものすらそぎ落としてこの肉体を作り上げ、本日リミット一杯で前日計量をクリアした。


どうだろう?

俺の信じる世界では
相手がいてとかスポーツの世界はとか度外視して
もし、努力が報われる世界なら神様は迷わず仙三を選ぶ以外他の選択肢はないんじゃないだろうか?

とても真夏とは思えない日々のなか
きっと明日はどこよりも暑くなるであろう有明の地で、仙三は俺に、俺のそして仙三の信じる世界を見せてくれるだろう。

その魂を拳に乗せて






パンクラス289
フライ級キングオブパンクラスチャンピオンシップ

池田仙三降臨