(引用元)社団法人日本呼吸器学会

(URL)http://www.jrs.or.jp/home/

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[呼吸器の病気]
肺非結核性抗酸菌症(肺非定型抗酸菌症)

Last Update:2009年6月16日


[感染性呼吸器疾患]

肺非結核性抗酸菌症(肺非定型抗酸菌症)
はいひけっかくせいこうさんきんしょう(はいひていけいこうさんきんしょう)

 別項 でご説明した結核菌も抗酸菌の仲間の菌ですが、非結核性抗酸菌とは、「結核の親戚の菌で、培養可能な抗酸菌」とご説明した方がわかりやすいかもしれません。以前は非定型抗酸菌と呼ばれていました。この菌は、結核菌とは異なり人から人には感染しません。ですから肺非結核性抗酸菌症と診断されても、肺結核のように隔離のために入院する必要はありません。またこの菌の感染症では、普通の免疫状態の方であれば、結核の様に急速に悪化することも稀です。これらの菌の仲間は、主に土や水などの自然環境に広く存在しており、環境から感染すると考えられています。わが国の肺非結核性抗酸菌症の8割以上がマック菌、1割くらいがカンザシ菌、残りが他の菌で占められています(資料1)。肺非結核性抗酸菌症の主な症状は、咳や痰で、ひどくなると血痰や全身倦怠感が出ることがあります。肺マック症は中高年の女性に多く、有効な治療薬はあるのですが肺結核に比べると治療が効きにくく、治療期間が長くなったり、再発することもあります。肺カンザシ症は肺結核と同等の治療効果が期待できます。

この仲間の細菌は、顕微鏡で調べる時に染色液で色を染めて観察するのですが、一度染色されると酸などで脱色されにくいので、このように呼ばれます)。

資料1 非結核性抗酸菌症の種類
(坂谷らの集計による 2001年全国調査)