健康の天才たち


6人の偉人伝である。

明治生まれの人は実直で真面目である。その方々のおかげでいまの暮らしがあるのだと、あらためて感謝する一冊。心の栄養補給にぜひお読みいただきたい。


この本の「おわりに」に、「この世で命より大事なものがある。なんだと思う?」と、八十を超えた大学の名誉教授からの質問が紹介されている。最後まで興味深く読める本でありました。


山崎光夫著。 新潮新書。


危ない薬の見分け方


浜六郎著。ベスト新書。

ヨーロッパではタミフルを使わないし、非ステロイド抗炎症剤を解熱剤として使わないからインフルエンザ脳症もタミフル脳症も問題にならない。

エコナクッキングオイルは発がん促進作用が問題である。

メタボリックシンドロームは健康な人を病人扱いする。

などなどが書かれています。

健康のためにはバランスのよい食事を心掛け、薬にはできるだけ頼らないほうがよいという。

製薬会社と厚労省の癒着関係のくだりなど、さもありなんと十分に納得できる内容でありました。


美味しい食事の罠


幕内秀夫著。宝島社新書。副題は「砂糖漬け、油脂まみれにされた日本人」。


新鮮な魚は刺身で食べる。少し鮮度が落ちると焼いて食べる。さらに落ちると煮る。ますますダメになったら天ぷらに。それもダメならフライにして、最後はそれにタルタルソースをかけて食べる。

どんどん油まみれになっていくのは、油脂が素材の悪さを隠す便利な道具だからと説く。


日々の食事で気をつけるべきことや、はては良い居酒屋の見分け方まで。じつにわかりやすく読みやすい本でありました。



中国の危ない食品


中国に大人あり。その名は周勍。


以前に中国の危険な食品が流通する原因は中国のみにあるわけではないと書いたが、それはやさしすぎる考えであった。

やはり主たる原因は中国にあり、その根はじつに深い。

中国もロシアと同じ、恐ろしい社会である。

命がけで仕事をする人を尊敬しているが、著者がくれぐれもアンナ・ポリトコフスカヤさんのようにならないことを祈る。


健康に気をつかうとなると、国際政治のことまで考えなければならぬとは。グローバル化とはこういうことか。


表皮ごとひき、栄養価を高めた小麦粉「全粒粉」を使った軽食や菓子が売れている。日経新聞9月12日。

「香ばしい味わいで食物繊維も豊富に含む点が『手軽に健康づくりができる』と消費者に好評」だそうだ。

他にも「全粒粉入り生パスタ」や全粒粉を配合したクッキーなどを紹介している。


確かに全粒粉は健康に良いが、原料の小麦粉には注意したい。「食べるな、危険!」(講談社)によると、輸入ものには農薬が混入しているという。

農薬の検出値が高い順は、1.学校給食パン、2.胚芽や全粒のグルメパン、3.輸入・有機・無農薬小麦使用パン、4.普通の白いパン、となり、不検出が、5.北海道小麦使用パン、だそうだ。


全粒粉を食すなら、国産の小麦粉を使ったものを選ぼう。カナダ・マニトバ産の最高級小麦を用いたパンも良い。

アメリカ、オーストラリア産には要注意だ。殺虫剤が検出されている。




おいしいハンバーガーのこわい話


草思社(定価1300円+税)を読む。

ファストフードにされる牛や鶏がどんな目にあっているか?それを食べ過ぎるとどうなるか?が書かれている。

「マックジョブ」なる言葉もこの本で知った。たしかに「男子一生の仕事」ではありませんな。

ビデオで「スーパーサイズミー」も観ましたが、内容はほぼ同じ。
読み終わってからマックは食べていません。



毎年三万人以上の人が自殺をしている。

50歳以上が全体の6割近くを占め、一番の動機は健康問題(41%)だそうだ。

以下、経済・生活問題(29%)、家庭問題(10%)、勤務問題(7%)、男女問題(3%)、学校問題(1%)と続く(平成18年中)。

ここでも健康が一番である。気をつけたい・・・



愛知県一宮市の愛知きわみ看護短期大学は来年度の入学試験から受験資格に「非喫煙者」であることを新たに加えるそうだ。

「将来、患者に禁煙を勧める職業に就くので本人も吸わないのが望ましい」との考えから。

非喫煙か否かは自己申告で検査はしないという。

日経新聞9月5日


受験する人の多くは高校生であろうから吸わないのが当たり前といえば当たり前だが、全入時代のこの世の中、上手いマーケティング戦略のような気もするがひねくれた見かたであろうか?

個人的には、喫煙経験のある人が禁煙をするときの苦しさを知った上で、禁煙を勧めるのが良いと思う。

純粋培養のくそガキが何を言っても説得力がないからだ。


気概のある方は、ガキ共にとやかく言われる前にぜひ禁煙を。

3日間辛抱できればずっと続きますよ。



2003年6月3日、厚生労働省はメカジキやキンメダイに含まれる微量の水銀が胎児に悪影響をおよぼす可能性があるとして、妊婦は食べる回数を週2回以下にするよう注意を呼びかけた。


海の魚に含まれる水銀の大半は人間の工業活動の産物ではなく、もともと海底に存在するものだそうだ。

水銀には金属の水銀と、アミノ酸と結びついたメチル水銀があり、毒性が強いのはメチル水銀。

食物連鎖によって小さな魚を食べる大型魚に蓄積され、成人には影響をおよぼさないほどのわずかな量でも、毒物に対する感受性がずっと高い胎児には悪影響を与える。


水銀汚染の極端な例が水俣病であるが、原因となった物質はやはりメチル水銀である。これは工場から廃棄された排水に含まれていたもので、多量に摂取するとまっすぐ歩けないなど運動・感覚障害や知能障害が起こる。

PHP新書「汚染される身体」より。


山本弘人著 PHP新書「汚染される身体」を読む。


汚染される身体


2004年9月の発行なので、すこし前の本である。

シックハウス症候群や食品添加物の複合摂取の危険性、環境ホルモンのことなどが書かれており、森永ヒ素ミルク事件、カネミ油症事件、水俣病などについても概括的な説明がなされている。

最近は中国産の食品についていろいろ言われているが、日本も昔は同じようなものであった。


中国産野菜の残留農薬の問題では、「中国が加害者、日本が被害者」という図式で語られることが多いが、その見方は公平でないという。

中国ではもともと農薬はあまり使われていなかったのが、おもな輸出先である日本の消費者が、虫喰いがなくて見た目のよい野菜を好むため、殺虫剤を使うようになったのだそうだ。

中国の農民が農薬の使い方、有害性を十分に理解していないことは問題であるが、日本の消費者も見た目だけがよくて虫も食べないような野菜は選ばないように意識を転換すべきであると説いている。