旅も後半となった。
12/26、ストラスブールからTGVに乗り、次なる目的地、パリへ移動。
まあ、やはりフランスに来たからには、パリには寄っておかなければ、
というのもあり、日程に組み込んだのだった。
先日とは違い、今回はComposter問題なし。
プラットフォームはたくさんあるが、駅の入口を入ってすぐのところだったので、楽だった。
パリまでの約2時間、一度も停車することなく、直行だったので驚いた。
ストラスブールを出るとすぐ、何もない田園風景が広がり始める。
わりと天気も良く、景色が美しかった。
この日のストラスブールの天気予報は雨だったが
雨雲が来る前に、我々はストラスブールを抜け出したらしい。
私は、ヨーロッパを旅行中に雨に降られたことは殆どない。
アルザスでの滞在中も、ことごとく天気予報は雨だったが、
ことごとく、予報は外れた。
TGVは一等車だったので、軽食くらいでるかな、と期待した。
しかし何もなかった。
車内アナウンスで、正確には聞き取れなかったが、なんとなく
一等車は食べ物がどうとか言っていたように聞こえたのだが、もしかしたら、
一等車の近くには食堂車があるから、なにか食べたかったらそこに行ってねよろしく、
くらいのことだったのかもしれない。
乗車前に軽食を買っておいて正解だった。
通路を挟んで私の隣の席に、ありえないくらい太ったおばさんが座っていた。
ふと見たら、窓にへばりつくようにして、10歳くらいの子供が座っている。
そこでふと、おかしいことに気が付いた。
このおばさんが座ってるシートは一列なので、人間が2人いるのはおかしい。
思わず二度見したが、
まあ、見なかったことにする。
パリ東駅が近づくにつれ、田園風景はおわり、建物が多くみられるようになる。
当たり前だが、パリは大都会だなー、と思った。
ストラスブールよりも遥かに大きく感じた。
パリ東駅に着いた。
初めてパリに来たときのことを思い出した。
もう10年以上も前のことだが
その時私は、ロンドンからユーロスターでパリに向かい、北駅に着いた。
プラットフォームに降り立ったとき、
あまりの人混みと人種のるつぼ感と、そのカオスっぷりに驚いた。
とりあえず落ち着こう、とタバコを一服していると、
一本くれ、とジプシー風の女性にたかられて、驚いた。
渋谷や新宿も人が多いが、まるで雰囲気が違う。
自分とは全く違う人間しかいない、そんな感覚だった。
しかも、ソフィスティケートされた落ち着いた都会という、
私が勝手に想像していたパリのイメージが脆くも崩れ去ったわけで
そのショックもあって、すっかり頭が混乱した。
車に乗り、街中を走っていると、建物がロンドンよりはるかに重厚で
この街は数百年の間、周りにどんな人間が集まってこようが関係なく、
威厳を保ち続けてきたという、気品を感じさせた。
そして、やっと落ち着きを取り戻しつつ、
ああ、これがパリか、
やっと来れたな、と
いたく感動したおぼえがある。
今、北駅に行ったら、どう感じるのだろう。
中国の奥地だとかインドだとか、
パリをはるかに上回るカオスを知ってしまった今となっては、
もう何も感じないのかもしれない。
東駅から外に出ると空がきれいだった。
やっと着いた、とほっとしたり、ワクワクしたりしつつ、タクシーを探す。
アルザスほどではないが、パリも結構寒い。
少なくとも東京よりは。
駅周辺の人種のるつぼ感、カオス感も、相変わらずである。
足元を見ればごみも多く、東京よりはるかに汚い。
それでもやはり、何度来ても、パリは美しい。
タクシーで、サン・ラザール付近のホテルまで移動。
途中にある、トリニテ教会。
この日はさすがに疲れて、
近くのカフェで夕食を食べたら、すぐ寝てしまった。
<続く>