いつもこの手の話題で、ファンの人たちが悲嘆にくれるだけならまだしも、アイドル本人を非難するっての聞くたびに、何とも呆れた気分になる。

ファンの人は、お金をたくさん使ったのに裏切りだ、とか、恋愛禁止というルールを守ってない、と、自分たちが正しいかのように騒いでいるようなので余計嘆かわしい。

 

そもそも、アイドルが恋愛禁止とか、アイドルを自分の疑似恋愛対象にして相手に操を求めるってことが、どれだけ時代錯誤なことなのかわかってないって気がする。

そのルール自体が掟破りであり得ないもののように感じる。

だからこそ売れたのかもしれないが、やはり、ファン層はそこは懐深く、きちんとわきまえるところをわきまえて芸能人の魅せてくれるものを楽しむべきじゃないのだろうか?

 

例えば、芸妓、という存在がある。

彼らは江戸時代には男も女も存在したが、今はほぼ女性のイメージが大きいと思う。

芸妓というと、遊女と同じようなイメージを持つ人もいると思うが、本来自分の芸の見返りに報酬を得る職業である。そもそも遊女だってそういう職業だった。

きちんとその本分を守って、芸を極めて客と対等に報酬を得る誇り高い芸妓も多いと聞く。

そして、そういう芸妓にはパトロンのような「旦那」という後ろ盾が付くこともあった。

その場合、「旦那」はその芸妓の資金等面倒全般を見てやり、一番の贔屓となる。

が、芸妓の恋愛や私生活は自由であり、一人前になり売れるまでの支援をする「旦那」が得るものは、要はファンとしての自己満足である。

それが、昔の富裕層の、「粋」というものであったのだろうと思う。

 

今は、そいういう時代でないので「旦那」という存在は絶滅危惧種なのだけれど、そこに、アイドルとファン層という関係を当てはめるならば、ファンというのはその「旦那」のような「粋」さを持つことが一種の醍醐味ではないか、ということだ。

アイドルという存在がとかく軽く見られがちなのは、芸を極めたわけではないのに、ディープなファン層から豊潤な資金を得ているように見えたりするからだと思う。

けれども、アイドルの子たちは女の子にしろ男の子にしろ、言葉に尽くせない努力を重ねてステージに立っているものだと思う。

芸妓のように、ファンから対等な立場で報酬を得ることは当たり前のことに思える。

 

むしろ、今回のアイドルの結婚騒動で問題なのは、そのルールの縛りを守ってきた同じアイドルたちの心境だと思う。

客とアイドルの立場が対等であるのと同時に、事務所とアイドルの関係も等しく対等であるべきである。事務所がアイドルたちにその実績以外で分け隔てをしてはいけない。

彼女だけが特例を認められたなら事務所に責任があるし、彼女が事務所をないがしろにしてファンに公にしてしまったのなら、彼女は仕事を放棄したことになる。

人間としてファンに裏表のないことは悪いこととは思わないが、ファンがここで憂うべくは、いずれにしろ、彼女をもう応援できない立場になった、ということなのである。

彼女は公にするのなら、その謳っていた「アイドル集団のルール」を撤廃してから、ということが必要だった。

いや、その辺はよく知らないなー。

そもそも、その子たち、公に恋愛禁止を売りにしてたっけ?

ま、とにかく私の言いたいことは、芸能人の私生活は自由である、ということである。