いやー血しぶきとか苦手な私としては、なんとなく後回しにしていた「無限の住人」。

ようやく見てきました(^^;)。なんか、切ったはったは大スクリーンで見ると、自分まで痛くなるような気がして結構覚悟が要ります。

とはいえ、気が付くと、ハリウッド映画見てればむごいシーンけっこう多いし、こないだ見た「グレートウォール」も結構なもんだったし、構えないで見てれば、結構見てるじゃん、と自分ツッコみ(苦笑)。

 

感想の一言目はやっぱ、旦那と異口同音。

「キムタクがカッコよかった~!」の一言に尽きる!

全編ほぼ戦闘、という映画で、あれだけの人数相手に殺陣をやりきる役者根性はホントに凄いと思います。いや、ありえねー…。

あんだけのエキストラ相手にいちいち殺陣の打ち合わせしてたわけはなし、片眼ふさがれながら直感で殺陣をしてるわけでしょうから、ほんとキムタクの凄味というものを感じさせられましたね。

 

また、万次というキャラクターがキムタクにハマってた、というか、いつもの如く、キムタクが万次というキャラクターを自分に引き寄せてましたね。

なんか、キャラクター造形に遠慮してる感じがなくてよかった(笑)。

いつものキムタク節を、旦那ともども、これでもか!と楽しませてもらいました(^^)。

岡田くんのそれとはまた違った「目力」とか、役者の華とか、キムタク独特の間のとり方とか。

この万次はキムタクにしか演じられない。

というか、逆に、いつも感じることですけど、キムタクは役をいつも自分に引き寄せて、ほかの人にはまねできない自分流の演じ方をします。

 

これが、いつも一緒と言われてしまう所以だと思うけど、

私が思うに役者って二通りあって、「ガラスの仮面」とか読んでて思ったけど(笑)、

ステレオタイプな大衆のその役に対するイメージを、自分の個性はどうあれ、寸分たがわず演じてみせる優等生なカメレオン俳優と、

どんな役でも自分流に演じて形にして魅せてしまうスター俳優っていると思うんですよね。

どっちでもそれぞれ素晴らしいんですけど、私から見ると、キムタクはまさにスター俳優に分類されると思うんです。

カメレオン俳優は、それぞれの役で、驚きでもって人を魅了するけど、

スター俳優は、それを待ってたんだよ、っていう、その人にしかできない演じ方で人を魅了すると思うんですよね。

 

だけど、最近ふっと思うんですけど、俳優って、この二タイプが融合するとはじけるんだな、って思うんですよね。

ジョニー・デップとか、それぞれの映画でそれぞれの役になりきるカメレオン俳優ってイメージもあると思うんですけど、シザーハンズにしろ、チャーリーのチョコレート工場にしろ、パイレーツ・オブ・カリビアンにしろ、その役どころにはステレオタイプの役のイメージを演じたというより、彼自身がその役のイメージを作り上げてる、って点がありますよね。

そして、その怪演はジョニー・デップしかできない、と思わせるものだと思うんですよ。

それぞれの役で全く違う顔を見せつつ、自らのカリスマで凄いインパクトを持たせる。

パイレーツ・オブ・カリビアンにおいては、どっちかっていうと1では助演だったジャック・スパロウのイメージを不動のものとし、本家のアトラクションに登場するわ、その後の映画は彼が主役になるわで凄い飛躍を遂げました。

 

キムタクは次回作「検察側の証人」ではどういう演技を見せてくれるでしょうか?

ちょっと原作のぞいた感じでは「うーむ」と思いましたけど。

二宮君演じる若手検事についてはあんまり心配してないけど、カリスマのある先輩検事を演じるキムタクにはちょっと危うさを感じます。

なんか、世間の俺様的なイメージとは違って、キムタクは苦労人だし生真面目な人だと思うんですよね。だから、余計なこと考えて、自分の演技を制限するところがあるような気もする。

勝手な私の思い込みも多々あると思いますが、なんか、彼には突き抜けちゃってほしいんですよね。

うるさい外野のことは気にせず、自分流を貫いて自信持ってほしいっていうか…。未だに、ロングバケーションやHERO、GOOD LUCKから勝手なイメージを持ってる私としては、キムタクにはいつまでも瑞々しいヒーローでいてほしいのかもしれない。

 

さて「無限の住人」では旦那と感想話し合ったんですが、

旦那のお気に入りは「凶戴斗」でしたね(笑)。「あいつ、カッコいい!」とか言ってはしゃいでました。演じる満島真之介は影になったとき横顔の綺麗な人ですからね~(・´з`・)。

それから、「永遠の0」でヤクザの親分演じてた田中泯も出演。

クライマックスではキムタクが一番腰の入ったいい殺陣するよね、とか夫婦で絶賛しつつ、でも、田中さんも、劣らず腰の入ったいい形だったー、カッコよかった、と渋さに心酔。

海老蔵とキムタクの立ち回りでは、私はひそかにW武蔵だ~!と盛り上がってました。

海老蔵は大河の武蔵、キムタクはスペシャルドラマで武蔵でしたからね~。

海老蔵はさすがの貫禄ですけど、キムタクの武蔵もネオ時代劇、って感じで面白かった。

海老蔵は、奥さんに先立たれて生きるのに疲れちゃってる役でしたけど、なんとなく、現実とリンクしてちょっとジワッとさせられました。表情の作り方とか、流石でしたねぇ…。

 

市原隼人は本人はいたって役を演じ切っていてよかったんですが、旦那と二人で「このキャラはいらなかったんじゃないか」って…(^^;)。

とにかく全編チャンバラで、要所要所ならいいんですけど、チャンバラの隙間に人間ドラマだったので(というイメージだったので)、途中で夫婦ともども、チャンバラに飽きてだれてる時間があって💦、あのキャラいなかったらもっと時間短縮されてたような、って…。

やっぱね、「追憶」とは対照的に上映時間の長さを感じましたねぇ。

戦闘も、度を超すと「もっと見せてくれ」じゃなくて「早く終わってくれ」になっちゃって…。

好きな人にはたまらないでしょうけどねぇ…。

 

図書館戦争メンバーとしては、今回の要、福士君。

悪役、よかったですー!爽やかだけど、ゆえにあの役のいい感じが出てて。

いい表情や佇まいするようになりましたよねぇ…。彼も大物になりそうな気もします。

図書館戦争番宣で有吉相手に照れもせず壁ドンしてましたもんね(笑)。

岡田くん、絶対できないべ(笑)。その気になったらできるのかな(笑)。

東京タワーではいい感じだったもんなぁ…♡

福士君はキャラのたたずまいは黙って座っていてもいい感じでした。

ただ、キムタクと平行して殺陣やってるとき、武器のせいもあるかもだけど、腰が入っていないので、惜しくもあんまり強そうに見えなかった。

強力な武装集団の首領というには、アクションは迫力不足でした。

キムタクはその点、やっぱすごかった。適当に切ってるようで、しっかりカメラに見栄えするように映ってましたからねぇ。

栗山千明については出番少なすぎて「いいぃっ?」ってなりましたね。

折角だからもっと使おうよ~。旦那と突っ込み。

総評として、面白い映画でした。

エンディングもネオ時代劇、って感じでカッコよかったし!

 

ただ、私、映画の演出としてどうしても気になる点が一点あって、映画の中の「白」が異常に目立つことでした。あえての演出なんだと思うけど、もう少し汚してほしかったなぁ…。

もしくは、もう少し、色味の違う白を使ってほしかったような…。

なんか、違和感感じちゃいましたねぇ…。

 

家に帰って来て感想を話していると、姑が、ちょうど朝から岡田くんの「散り椿」のニュースが引きも切らないところだったせいか、キムタクと岡田くんが一緒に映画出たらいいと思うわぁ…!絶対、面白いと思うんだけど!と力説してました(珍しく)(笑)。

同じ時代劇を演じてもなんか両極端の二人ですよね。

前から言ってますが、キムタクがバラなら岡田君はユリ。

キムタクが金なら岡田くんは銀(最近はいぶし銀になりつつある…)。

旦那が、落ち着きが逆転してるよな、ってよく言うんですが、キムタクが光で魅せるなら岡田くんは影で魅せるタイプだと思うんですよね。

キムタクには華があるけど、岡田くんには気品がある。

姑に、じゃちなみにどんな映画?って聞いてみたら、「武蔵と小次郎」(笑)。

どっちがどっちだよって話なんですけど、小次郎がキムタクで武蔵は岡田くんなんだそうです。

いやいやいや、年齢が逆でしょ!武蔵はおじさんで、小次郎は若者なんだから…。

でも、そう思うのもわかります。確かにねー(笑)。

 

俳優のタイプのお話、蒸し返しますが、岡田くんて前記の二つのタイプ、および複合型には当てはまらないと思うんですよ。

俳優って、現実にないものを演じてみせる、ほんとではないものにリアリティを持たせるものだと思うんですけど、岡田くんは、それに加えて、「本物」を持ってくる(笑)。

俳優なのに、本物を極める。ツッコんだら、ちょっとズルい、と思われそうですけど。

そういうことをしようとか、やろうと思ってできる人ってのは本当に稀有だと思うんです。

格闘家の役に、ほんとの格闘家、もってきたらどうなりますか。

格闘シーンは本物だから迫力だけど、普段のしゃべりは棒読みになってしまうでしょう。

普段通りの普段の会話を見せるシーンでも、本物以上に本物に見えるように役者は抑揚つけて演じてるんですよね。

だから、普通は、格闘シーンやアクションはプロが吹き替えやって、セリフ部分は役者がやると思うんですけど、岡田くんも前に言ってたように、映像的に制約が生まれる。

もしくは、カット割りなどで、俳優がリアリティを持たせるように「演じる」。

でもよほどでないと、本物の迫力はだしにくい。

岡田くんはそういうのを役者なのに意識して、俳優としての自分を作っているところが他の追随を許さないと思います。

 

うまく言えないけど、岡田くんの目線は監督に近いと思うんですよね。

こういう役者がいたら、こういう映像ができて、映画の世界が変わるのに、っていう。

それを、自分で実践する。凄いと思いますね。主演俳優として前人未到の道じゃないかな。

だって、自分がぽしゃったら映画がダメになるわけじゃないですか。

だから、主演俳優は無茶は避けるものですよね。

木村大作さんの言う、「こんな俳優さんはいなかった」って、こういうことに通じる気もする。

「追憶」のコメント中、岡田くんへの賛辞をセーブしてたような気もした木村さん。

昨日流れたメイキングでは手放しで褒めてますよねー。

自分が怪我したら困るわけだから、怪我しない自信をもってアクションに挑んでいる。

それだけの訓練を積んできているという。

 

「関ケ原」では馬に足を踏まれて痛がってた、なんてエキストラのツイートも流れてましたが(笑)、岡田三成はどんな表情を見せてくれるのか。(すでに予告の家康への恨み節とか初芽への柔らかい表情とかで私はメロメロなんですが)

男も惚れて、美しく撮りたいと望む岡田准一。

来年の「散り椿」でもどんな演技を見せてくれるのか楽しみです。

岡田くんが活きている限り死ねぬわ!