仕事が忙しいんでなかなか行けないでいるんですが、それでも、昨日、子供会の役員の仕事が一段落ついたし、絵の仕事のほうのFBの間なら一人で見に行けるか!って思ったんですが、旦那が「俺もいっしょに行きたい~!」というので、その休みに合わせるとなかなか見に行けません💦

 

こういう映画は初めてだな。

 

私が今まで一番ハマったのは、多分タイタニック。

現実の事件を、主人公のローズとジャックの動き以外は、ほぼ忠実に再現していました。

乗客の避難に誰よりも忠実に努めながら、氷山衝突の責任を感じて自殺してしまう一等航海士、自分の設計を悔いながら、時計の前で最後に目撃される設計技師、自分の判断を悔やみながら船長室で船と運命を共にする船長、そして、乗客を見捨て、我先に逃げ去る船会社の社長。

タイタニックには沢山の人間ドラマが詰まっていて、しかもそれがその後の歴史を変えたんです。この事故をきっかけに、航海の安全意識は様変わりしました。

また、避難は一等船客から優先して行われました。悲恋のローズとジャックは一等船客と三等船客。身分差別が、生死を分ける時代だったことを浮き彫りにしたのです。

その現場にジャックとローズを通して実際に立ち会ったかのような体験をさせてもらった。

長い上映時間と高いチケット代でしたが、五回も映画館に通いました(^^;)。

ちょうどそのころ、姉妹してタイタニックの事故記録を読むのにハマっていて、妹も映画館に五回足を運んだそうです。

 

あとは、ロードオブザリング三部作。

指輪物語もホビットも既読で。

ファンタジーファンなら知っておかなければならないお話でしたから。

漫画を描こうとするのにファンタジーの基本設定と所以を知らないでどうする、という感じで。

この映画も見事でした。

恐ろしく膨大な原作小説の世界をこの上なく忠実に再現していました。

そのうえ、新しい解釈も加えてた。でも、小説のメインテーマを浮き彫りにしてみせる感じだったんですよね。

この世で、もっとも尊いものは日常である。

真に勇気を持ち歴史を刻んでいくのは、日々を素朴に平和に暮らす人々で、王侯貴族や戦士や魔法使いのような英雄ではないんです。

破滅の指輪の力の誘惑に、英雄は屈してしまう。英雄であるゆえにその魅力に抵抗することができないんです。世界を自分の力で変革したくなってしまうんです。

でも、素朴なホビットは、そんな指輪の誘惑に負けません。

美味しいチーズやパン、シチューに毎日ありついて、夜は楽しく酒宴を囲む。

そんな生活を取り戻すために、指輪の魔力と戦って打ち勝つんですよね。

勇気を奮って命を賭けるんですよ。

何の力もない私たちのような無力な人間でも、大きな困難に打ち勝つことができる希望を持てる映画でしたね。

 

そして、今回の海賊とよばれた男。

私はど真ん中だったな。

永遠の0もあとからじわじわ来る物語でしたが、同じ百田さん原作で同じ監督同じ主演でも、物語の本質が違う。

永遠の0では日本人の誇りを取り戻させてもらいました。

戦争に従事していた軍人は戦争加害者である。

ある意味それは正しいんですが、だからと言って、当時の人たちは望んでそれをしていたわけではないんです。

そこにいかに抵抗し、無残に砕け散っていったか。

死ぬ間際にも、愛する家族に対してどんな思いを抱いていたか。

だからこそ、もう、戦争は起こしてはならない、というメッセージを抱いた映画でした。

ストーリーのオチには個人的にいろいろ文句を言いたいんですが(帰って来てほしかったとか、おじいちゃん、最初っからいきさつ話してよ!とか:笑)、ラストの岡田君のアップは圧巻です。

あそこに、あの映画のすべてがあると言っても過言じゃなかったと思います。

ラストにあれを持ってきて、岡田君にあの演技を要求した監督はひたすらすごいと思います。

 

海賊とよばれた男は、あの岡田君のアップに相当するものが多分社歌なんだろうな、と思います。

もっと何回も見てからでないと、ちょっと感想がまとまらない。

まだ、しっかりと「こういう映画だった」という評価が、自分の中でまとまってないんですよね。

イランにタンカーを送って日本に戻ってくる、ということが、どんなにすごいことか、この映画見てる人、わかってるかな。

この事件にテーマを絞って普通にエピソードを組めば、初見の人でもわかりやすい映画になったかもしれない(とはいえ、うちの旦那はエッセンスをちゃんとくみ取って涙してましたが。素直な人はきちんと映画のメッセージを受け取るのかな)、でも、今回この映画では、あえて国岡鐵蔵の生涯を描いて見せたんですよね。

石油というもの、ひいてはエネルギーについても描いて見せた。

国岡鐵蔵の弱さについても描いて見せた。

すごいことをやってのけた男たちがいた!というのは確かに最初のメッセージなんですけど、それを率いてやってのけた男は、弱さも欠点もある男だった、というのがすごくユニークなんです。

彼が死の間際に思うのは、幸せにできなかった妻と共に歩んだ店員たち・・・。

これ、多分センチメンタリズムなだけの場面じゃないんですよね。

せめてもう一回見て、しっかり反芻して感想を深めたいと思います。