明けましておめでとうございます。
本年の干支は「乙(きのと)巳(み)」です。「乙」は周囲との調和を保ちながら目標に向かって進んでいく力、「巳」は蛇を表し、古来より豊穣や生命力の象徴とされています。
 前回の乙巳は昭和40年。8月には、約5年間続くごく稀な群発地震が長野県長野市で発生し、松代群発地震と名付けられました。負傷者は15人でした。9月13日~9月16日には福井県東部を襲った記録的な水害、40・9風水害が発生し、廃村を余儀なくされました。
 60年も経つと今まで退化していたものが進化をしています。
 連絡網に当てはまると昔は固定電話が多く、1人1台携帯電話が持っているという時代ではないと思います。そして今は、携帯ひとつで済ます時代であり、近年では、年賀葉書の売上が減少傾向です。     1965年では年賀葉書が10円でしたが、今では85円です。
 今から60年前の1965年は普及した年と伺えますが、これから60年後の2085年はどんな年になっていることでしょう。
 昨年は未曾有の大災害に見舞われ、多くの方々が被災されました。そうした中、全国各地からボランティアの方々が駆けつけ、復旧・復興に向けて力を尽くされました。私も、5年前の長野県千曲川の決壊の際、ボランティア活動に参加し、その経験は私の人生において大きな転機となりました。
 しかし、災害発生当初は多くの方々がボランティアに駆けつける一方で、時間が経つにつれて参加人数が減少していくという現実も目の当たりにしました。これは決して珍しいことではなく、多くの災害で繰り返されてきた問題です。
 ボランティア活動は、被災地の方々を支援するだけでなく、ボランティア自身にとっても貴重な経験となります。私は、ボランティア活動を通じて、人とのつながりの大切さ、社会貢献の喜び、そして自己成長を実感しました。
 特に印象に残っているのは、中学生のボランティアの皆さんです。5年前には、高校生は保護者同伴のもとで参加していましたが、現在は中学生も保護者同伴で参加できるようになり、参加年齢が引き下げられました。これは、若い世代が社会問題に関心を持ち、自ら行動を起こすことの大切さを示すものであり、大変喜ばしいことです。
 しかし、若い世代のボランティア育成には、様々な課題も存在します。例えば、学校教育の中でボランティア活動の重要性が十分に認識されていないことや、安全面や保険の問題など、クリアすべき課題が数多くあります。
そこで、私は、ボランティア活動の三要素である「自主性・社会性・創造性」を育むことが重要だと考えています。
 * 自主性: 自らが興味関心を持ち、行動に繋げる
 * 社会性: 他者との協調性や連帯感を育み、社会の一員としての役割を果たすこと
 * 創造性: 事前に講座や研修を受けることにより、災害が起きた時にイメージができる
 これらの要素を育むことで、若い世代は、単に指示されたことをこなすだけでなく、自らが、行動して社会をより良くするための力をつけることができるでしょう。
 ボランティア活動は、決して特別な人だけができるものではありません。誰でも、自分の時間や能力に応じて、できることから参加することができます。
 私は、一人ひとりがボランティア精神を持ち、社会貢献の輪を広げていくことで、より住みやすい社会を作ることができるのではないかと信じています。
 ボランティアには、上記の三原則に対して三要素も付随致します。
三要素とは、体験・経験・継続です。
 先ずは、ボランティアを体験してみてください。それからボランティアには色々な種類があります。経験者限定だからといって引かないでください。はじめてのことをトライしてみてください。そして、継続できるボランティアを探してみてください。
 私の経験を踏まえ、若い世代の皆さんには、ぜひボランティア活動に積極的に参加し、その中で多くのことを学び、成長してほしいと願っています。自分自身を見つめる材料にもボランティアをご活用してください。そして、将来、社会のリーダーとして活躍し、より良い社会を築いていくことを期待しています。
 最後にはなりますが、昨年は災害が絶えない年になりました。今年は、何も起きないことを願っております。まだ能登半島区域は一人でも多くのボランティアによる支援が必要となっております。自分自身の経験を生かせるボランティアを共に皆さんで作り上げてまいりましょう。
 そのためには、皆様方の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。
 皆様にとって、すばらしい一年となることをお祈り申し上げます。
                                                                                    令和7年1月5日                                                                                                  藤田 遥己