登山を始めるにあたり、最初に準備すべき装備として「登山の三種の神器」と言われる、登山靴・レインウエア・ザックの選び方を以前にご説明しました。
今回は携行しておくと便利な装備品についてご紹介したいと思います。
最初からすべてを揃える必要は無いですが、安全のため必ず用意したいものもあります。
一概に必要な装備と言っても、その山行形態(日帰り、小屋泊、テント泊)により異なりますが、初心者の方の場合は日帰り登山が中心になると思いますので、ここでは初心者の方が装備品を買い揃えるにあたり知っておきたい知識を紹介したいと思います。
このブログでは、中高年登山者の方やこれから登山を始めたい方に向けて、ほんの少し前を歩く同じ中高年ハイカーである私へいぞーが、登山に関する皆さまの疑問や悩みを解決する情報を発信しています。
これだけは携行しておきたい装備品7選
1 地図とコンパス
「登山の三種の神器」に加えてもいいぐらい大事なのが、地図とコンパス。
日常知らない目的地に向かうのに地図アプリやナビゲーションシステムを使用しない人はいないと思いますが、登山でももちろん必須です。
ただし、紙ベースの地形図とプレートコンパスは読図能力と使い方を知らないと無用の長物となります。
初心者の方に地形図を見て現在地を特定して、プレートコンパスを使って目的地を明確にせよ!というのは少し難しいかなと思います。
いずれ読図能力とプレートコンパスの使い方をマスターすることは必要不可欠ですが、現在ならスマートフォンのGPS機能と地図アプリを使うことで容易に代役が可能です。
こちらの記事で紹介しています。
2 登山用の腕時計
腕時計も時間が知りたいだけならスマートフォンを見れば分かるわけですが、便利なのが山専用の腕時計です。
高度計や気圧計、温度計の機能を搭載したものから心拍数など身体の情報を知ることができるものまで色々ありますので、一つ持っておくと登山の幅が広がります。
3 スマートフォン
様々なアプリの使用もさることながら、遭難の際に救助要請を行うためにも携帯電話は絶対に必要なアイテムです。
もはやお持ちでない方もいないと思われますので、説明不要ですね!
4 モバイルバッテリー
今となっては知らない山でのスマートフォンの充電切れは死を意味します!
地図、時間、救助要請手段、写真、これらの機能を山奥で瞬時に失うと思うとゾッとします。
どんなときも絶対に替えのバッテリーか充電用のモバイルバッテリーを携行しましょう。
また、登山中はスマートフォンを機内モードにしておくとバッテリーの消費を抑えられます。
5 タオル手ぬぐい
これも携行しましょう!
汗拭き用、首に巻いて日焼け止め、防虫用、けがしたときの止血用など万能です。
また、有名な山小屋ではオリジナルのかわいい手ぬぐいを販売しているので、記念にコレクトしてみるのもいいですね。
6 トイレットペーパー
食事の際や鼻水用など、その用途は多いです。
特に登山道にはトイレがありませんので、万が一のときのためにも必須アイテムとなります。
家庭用のロールペーパーをジップロックなどに入れて携行してもいいですし、水に溶けるポケットティッシュもありますので、用途に分けてご準備されることをおすすめします。
7 財布・健康保険証
日帰り登山では道中お金を使うことがないかもしれませんが、自動販売機や山頂小屋での食事、行き帰りの交通機関などで金銭は必要ですよね。
万が一けがで病院へ行く可能性も想定して健康保険証も携行しましょう。
万が一のために携行しておきたい装備品5選
1 ヘッドライト
早朝には必須のアイテムですが、初心者のうちは日が高い時間帯での行動がメインになると思います。
しかし、万が一下山が日没になる場合やビバークの必要に迫られたときヘッドライトがないとジ・エンドです。
転ばぬ先の杖として必ずザックに忍ばせておくことを強くおすすめします。
ヘッドライトには、充電式と電池式のものがありますが、これは充電式をおすすめします。
充電式のものは乾電池でも使用できるものが多いので、フル充電で出かけて予備で乾電池を持っておくと完璧です!
2 ザックカバー
突然の雨…レインウエアで体は濡れずにすんでも、ザックの中はずぶ濡れになります。
汎用のザックカバーか、ザック用の防水インナーバック(大き目のビニール袋での代用可)を用意しておくと慌てずにすみます。
3 防寒着
山の上は夏でも寒いです!
気温は標高100m上昇するにつき約0.6℃低下すると言われています。
休憩時や万が一のことも考慮して用意しておくと重宝します。
最初から高級なものは必要ありません。
私も最初はユニクロのライトダウンジャケットをザックに突っ込んで山に行ってました。
4 ファーストエイドキット
簡易救急箱のようなものだと考えてください。
個人的にこれは必須だと考えています。
- 絆創膏(止血用や靴づれ用に大小あわせて)
- ガーゼと包帯(絆創膏でカバーできないようなけがのとき)
- テーピング(38mmのものが便利です)
- きず洗い用の水(500mlのペットボトル)
- 小型のはさみや毛抜きなど
- 鎮痛剤
- 足がつったときの芍薬甘草湯
- 持病の薬品
などを入れておくと自他ともに役立ちます。
5 エマージェンシーシート
ビバーク時などに被って寒さをしのぎます。
かさばるものではないので、最悪の事態に備えて一枚持っておくと心強いです。
食糧と水について
1 水
ないとヤバイです!
実際に遭難して水だけ飲んで7日後に救出された事例もあるぐらいですから、飲料水の確保は生命線です。
登山中に必要な水分量=体重×行動時間×5mlと言われていますので、60kgの方が5時間歩く場合は60kg×5時間×5ml=1500ml必要ということになります。
また、大量の汗をかいた場合脱水とともに塩分も失いますので、スポーツドリンクや塩あめなどでミネラルを補給することも大切です。
2 行動食
登山中の消費カロリーの目安は
消費カロリー=体重×行動時間×5kcalと言われており、60kgの方が5時間歩く場合は、60kg×5時間×5kcal=1500kcalを補給する必要があることになります。
もちろん基礎代謝量を除いた値であり、あくまで目安になりますが、通常の食事3食以外に効率的に補給することが大切です。
すぐにエネルギーに変換される糖質と失った塩分の補給が中心になりますが、私はナルゲンボトルなどに、ナッツと柿の種をミックスしたものと溶けにくいチョコレートが食べやすいので入れて携行しています。
3 非常食
これは行動食とは別に持参する食糧のことで、万が一のために用意しておくものです。
カロリーメイトやスニッカーズといった高カロリーで栄養価の高いもの、加えて日持ちするものがおすすめです。
あると便利な装備品4選
1 日焼け止め
山の上、特に森林限界を超えるようなところでは日光を遮るものがないため、日よけや日焼け止め対策は必須です。
日焼け止めクリームに加えて帽子やサングラス、ネックゲイター、夏場でも長袖がベター!
2 虫よけ
当然ながら山にはいろんな生物がいます。
見て美しいものや楽しいものも多いですが、危険生物や不快な昆虫もいます。
クマ、イノシシ、マムシ、スズメバチ、アブ、ブヨ、蚊、ヒル、メマトイといった目の周りにまとわりつく小さなハエなどが代表です。
忌避剤を携行しておくと便利です。
ヒル避け剤や熊除けスプレーなども場所によっては必要かも…。
3 トレッキングポール
今ではトレッキングポールを使っている登山者のほうが多いのではないでしょうか。
膝にかかる負担を和らげてくれますので、とても便利なアイテムです。
ちなみに、ポールを振り回してイノシシから難を逃れたという話を聞いたことがありますし、春先目の前にぶら下がっている毛虫を払うのに便利だとか…。
意外なところで使い回しがきいたりして面白いですね。
4 多機能ナイフ
ナイフ機能というよりハサミや爪切り、とげ抜きの機能が付属していると、爪が割れた、木のとげがささった時などに便利です。
テント泊で調理する際にはハサミは本当に重宝します!
まとめ
登山における装備品は四次元ポケットでもあればいくらでも携行したいものですが、使用頻度と軽量化のバランスを考えなければなりません。
登山において軽量化は何にも勝るメリットですが、そのために雨具や食糧を削れませんからね。
行く場所や季節、天候や行動時間など、総合的に判断して装備品の取捨選択を行う必要があります。
ここで紹介したものは私が最低限必要だと考えるものや、携行していて便利だと感じたもの、万が一のときなければリスクが大きいものなどですので、是非参考にして安全で快適な登山をお楽しみください。