瞬間。【hey】
つい今しがた、
駅前の、
横断歩道を、
いつものように渡った。
目の前に、
交番がある事もあって、
この横断歩道は、
超歩行者優先。
よほど空気の読めない、
しゃしゃったドライバー以外は、
みんな一時停止してくれる。
だから今日も、
ライトまで消して、
駅から出てくる人の波を、
見過ごしているタクシーに、
感謝の会釈をしながら、
小走りに通過した。
確かに、
波は一旦、
私くらいで切れていて、
そろそろタクシーが発車しても、
いい頃合い。
私が通過してすぐ、
タクシーのヘッドライトが点いた。
小走りで横断歩道を渡ってすぐ、
ドンッっていう、
鈍い衝突音。
前を歩くオジサンが、
振り返って、
「ふゎぁあ~!!」
って言う雄たけびをあげて、
私も振り返った。
そしたら、
バンパー大破のタクシーと、
ヘッドライトに照らされて、
倒れた自転車をおこす女の子。
交番に居ながら、
事故に気付かないお巡り。
駆け寄るタクシードライバー。
そして、
一歩も動けず、
野次馬にもなれず、
何とも放心の私。
きっと自転車が飛び出した。
だって、
あのタクシーは、
今の今まで、
停まっていたょ。
それでも、
仕事中の事故だし、
相手は自転車だし、
あのタクシードライバーは、
どうなるんだろう。
轢かれた女の子も、
直後は、
自分が悪い後ろめたさと、
恥ずかしさで、
すぐに起き上がったんだと思う。
でも、
時間が経てば、
100%被害者面をするんじゃないかな。
自分が悪いって、
親や周りに知られたくないし。
あぁー何だろう。
この理不尽な、
モヤモヤ。
世の中まったく、
明日、
いや、
この次の瞬間、
何が起こるか分んない。
せめて、
他人の人生を、
突き落とすような、
“予期せぬ出来事”だけは、
起こしたくないもんだょ。
hey.