登場人物

筆者
独身 男性 無類の酒好き

親友
大学時代の親友 能年 玲奈と一緒のあだ名

お子
親友のお子。スーパープレイボーイ。新年度より幼稚園デビュー



-ただの日記-

子供が好きな訳じゃない
子供が好きな訳ではないが言動が面白いから好きだ
触れ合っていると人の子でも十二分に可愛く思えてくるし
あしながおじさんになって、プレゼントをあげる、
想定していた100倍の喜びを表現されたら
よし今度は何が欲しいんだ?
という気持ちになってしまう

この間親友とそのお子と動物園に行った話

重複するが子供の行動は面白い
素直すぎてストレートすぎて大人からみたら奇抜にさえみえる

休みの日に親友夫婦のお宅にお邪魔した
お昼にテイクアウトで人気店のハンバーガーをテイクアウトしてお家でゆっくり食べた

家の近くに動物園があるから行こうという話になった
数年ぶりの自転車にまたがって寒空のなか動物園に向かった
天気は曇天



いつぶりの動物園だろう
人はまばらだ


お子は動物園に入園するなり、これぞ全力疾走という全力疾走
大人の一歩が子供の数歩というハンデもものともせずぐいぐい進んでいく

お子はただ行きたい方向に進んでいるつもりなのかはわからないが、数学的にも難解な綺麗な婉曲を描きながらぐいぐい前に進んでいく

お子はとても積極的だ

お子の必勝パターンはこう
お子(男 は
お子(女の子多め 
を見つけると湾曲に、そしてただまっすぐに向かっていく

そしてまず物理的な、物理的な
距離を縮める
いきなりかなりの近さだ
もし僕が次見かけた人に対して決行したら一発レッド
そく通報ものだ

お子は距離を縮めた後はなんとその距離の近さでなんと一人遊びを始める
もしその遊びに相手が乗っかってきたら作戦は成功だ

そんなこんなでお子はお子を見つけは全力で向かい、だめならまた婉曲しながらまっすぐに向かっていく

マッチングアプリでもしなくちゃなぁと思いながらもなんだか踏み出せない自分がなさけない

尊敬しかない
いや、お子!
今から師匠と呼ばしてください!




象が一番迫力があった
そしてお子の行動が一番印象的だった

お子は動物にあまり興味がないのか象よりも他のお子(女の子 
を探してる

見つけた

美術館や博物館によくあるボタン押すと解説し始めるモニターのやつ
お子はさすが
天をも味方につける者
椅子の配置がモニターに対して垂直だ

モニターに食い入るように見る少女

お子はあたかも自分がそのイスに座る事が決められていた運命であったかのようにイスの反対端にごく自然に座った

イスは大人が3人程座れるキャパだ
子供分にすると女の子の距離まで4人分

少女はモニターを食い入るように見つめる

どう動くお子!!

お子の作戦は至ってシンプルだった

数秒毎に3人分
2人分
とじわりじわりとただ距離を縮める

たかが数十秒でぴたりと真横、いや少女の真後ろに陣取った

違和感を感じ振り返る少女
少し驚くも気にせずモニターを見つめる

凄いぞお子
もし僕が次見たベンチで同じ作戦を決行したならば一発レッド
即通報物だ



はたから見たら確実に見知ってる二人の距離。

少女はボタンを押し直す為席を立つ
そしてまた定位置に戻る
後ろにはお子

もはや安定のポジションを物にした

やりやがったお子

私目に師匠と呼ばせてください
マッチングアプリすら始められない私目に師匠と呼ばしてください

お子を観察する私達

少女の母親は象に夢中だ

お子を観察する私達

時も経ち、象ゾーンから離れる事に

お子は名残惜しそうだ
むろん象ではなく先程出会った少女に

するとあまり興味がなさそうに見えた少女がすこし年齢も上であるのか、お子にお姉さんの一面を見せた

お子に向かって

「また遊ぼうね^ ^」
と手を振った

僕は心の中で震えた

あの時きっと、、

きっと親友と僕、僕ら二人の方が

少女に向かって力強く手を振っていた。



東京ラブストーリーならぬ名古屋ラブストーリー
寒空の園内の中、メロウな音楽が親友と僕、二人の中だけで鳴り響いた
。。


先程出会ったばかりなのに
相手にされなくても綺麗な婉曲をみせながらただ真っ直ぐに突き進むお子。

師匠










今日僕は情けない過去の自分に手を振った












〜お子ものがたり〜


 寒空の動物園編



作 へいしゅう




出演

平周

親友



お子












fin