ゲームニクスとは何か―を読んで
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2007年の書籍なので製品等のデータは古めなのですが、理論や内容は普遍的な内容でしたので、読んでみた感想などまとめてみました。
”ゲームニクス理論” は、初めて耳にする言葉でした。
読んでみて、まずゲームニクスをひと言で表すと
「子供からお年寄りまでパッと使い方が解り、無理せず使いこなせるようになり、知らぬうちに夢中になってしまう」製品を開発する技法。
中でも、支柱となる大きな目的としてはこの2点となっています。
・マニュアル無しでも、直感的・本能的に理解し操作できるようにすること
・複雑な内容でもストレスなく理解でき、自然と段階的な学習をできるようにすること
さらに、四原則として具体的な説明が歴代のヒットゲームに置き換えられてイメージしやすかったので続けてまとめます。
直感的なユーザー・インターフェイス(=使い易さの追求)
「スペースインベーダー」のシンプルな操作性
マニュアル無しのルールを理解してもらう(=何をすればいいのか迷わない仕組み)
「スーパーマリオクラブ」の1-1ステージをプレイしながらのチュートリアル体験
はまる演出と段階的な学習効果(=熱中させる工夫)
「ドラゴンクエスト」のレベルが上がりだんだん強くなる点、目的地に進む為に必要となるキーアイテム
ゲームの外部化(=現実とリングさせて、リアルに感じさせる)
「ファミリースタジアム」実在する野球ルールに則ったプレイ内容
それぞれヒットした製品には、これらの四原則が当てはまります。
2016年時点で最新機器WiiU・次世代機NXの発表と、ファミリーコンピューター(以降 FC)からのゲーム機器の歴史が続いていますが、ごくごく当たり前とされている
FCのコントローラー(十字ボタンで進行方向に進み、Aボタン/決定、Bボタン/キャンセル)にもマニュアル無しでも、直感的・本能的に理解し操作できるようにすること ”ゲームニクス理論”が組み込まれています。
四原則をバランス良く全て満たした任天堂のDS、Wii
当時発売された、Nintendo DSとPlay Station Portableが比較されていました。
これまでの上位版の性能に戸外でも遊べるように進化したPSPと、
これまでの流れから脱却変化させた二画面タッチパネルへ未開の挑戦したNintendo DSでは、各企業の”ゲームニクス理論” についての取り組みに大きく差がある結末が印象的でした。
「次世代機」への方向性の結論
SCEはテクノロジーを優先させ従来コントローラーを継続させた意味の「次世代機」
任天堂は新たな操作感、新しいコントローラーとして進化させた「次世代機」
他にも興味深かったのは、
Nintendo DSの当たり前に起動する一連のフローの中にも、”ゲームニクス理論”が存在している実証や、これまでに無かったお絵描きや入力よるタッチペンの操作など、のちの「脳トレ」の成功ポイントにつながるターゲットの拡大での任天堂の一人勝ち状態など、企業一体となって”ゲームニクス理論”を核にした戦略が勉強になりました。
ゲーム以外でも活躍したゲームニクス
「使いやすく、使い込める」製品が紹介されていました。ここでも四原則を踏まえてのヒット製品の勝因が説明されています。
iPod(勝因はストレスの排除化)
これまでの類似製品でもPCを経由しての使用が必要でしたが音楽データを「転送(複製)」させるのではなく、PC内HDから製品内HDへの「同期(同調の自動化)」させることが、画期的なiTunesの登場が決めてとなりました。
「ボタンの信憑性の高さからのユーザーの挑戦」ここでも、操作性がFCコントローラーと酷似させている点での使いやすさと理解しやすさが登場しました。
FCコントローラーの地脈が、iPodシリーズに流れていることに驚きました。
Google(勝因はシンプルなわかり易さ)
頑なにデザインを崩さない、直感的でシンプルなトップページ。
操作性の快適さを重視した無償のマップ、地図で遊ぶような楽しさを表現。
mixi(勝因は演出より機能の取捨選択が成功した)
今では多く見られ当たり前なのですが、UIのトップページにメインメニューを寄せ、初めから分かり易く、機能が想像しやすく全体の完成度が高かった。
また、あまり改善されない事案として銀行ATMが挙げられています。
頻繁に使用するメインボタン「引き出す」「振り込む」以外も同じサイズが多く、メインを探すことから始めなければならなく自分の現在の状況が分かり難い。さらにタッチパネルのON・OFFの演出も弱く、操作性の悪さにつながって長蛇の列の原因になっている。
ゲームだからといって夢中になるわけではない
最も重要度が高い分野は「教育・医療・福祉」であり、使いやすさ分かりやすさがとても必要とされ、知育ソフトDSが学習ツールとして広がり成功している。
読後の感想として
”ゲームニクス理論”とは、繊細で丁寧なもてなし(日本の伝統的な)の感性が生きていること、企業の姿勢としてビジネスでも製品化にも、大きな基盤になる印象を受けました。


