へたれの怖怖日記 -34ページ目

へたれの怖怖日記

怖いのほんと苦手なのに、怖い話が大好きという
矛盾に苦しむへたれ男児のつらつら日記です。

クラスメートの藤原君がおかしいことに何ら違和感を

感じなくなってきた今日この頃。

 

晴れて俺らは最高学年となったわけだが、受験やら

就職やら面倒なことで忙しくなるのもまた事実。

なら今の内に遊んでおこうと、俺は仲間たちと集まった。

 

カラオケにする?ボーリング行く?と高校生らしい会話を

していた俺だが、その集まりに藤原君がいたことによって

事態は変わった。

「心霊スポット行かね?藤原いるし」

と誰かが言い出したのだ。

 

みんなも何故かノリノリで、藤原君はもちろん満更でも

なさそうな表情をしていた。

「やめようよ!!藤原君の存在でもう充分じゃん!!」

と俺は止めたが、好奇心に火がついた皆を止められるはずもなかった。

そして、地元では割りと有名なアパートに行くことになった。

 

心霊スポットというより、自殺の名所っていうか、過去5年の間に

4人も自殺してるアパートだ。激しく怖い。てゆうかニヤついてる

藤原君が激しくキモい。しかしみんな気にする様子もなくアパートに

入って行った。階段を踏む度にギシギシと嫌な音が鳴る。正直幽霊より

階段が壊れたほうが怖いなあと思った。

そのとき、

「ねえ?佐倉。あれは何かな?」

 

嫌な笑顔を浮かべた藤原君が指差した先には、小さい祠が見えた。

アパートの前の角にちょこんとある。

「何って…祠じゃん」

 

それ以外なんだってんだ。と言い返すと、藤原君は嫌味なくらい

おおきくため息をついて、

「馬鹿以外の何者でもないねお前。その隣りだよ」

と失礼なことを言った。

 

内心ムカつきながら目線を移すと、男の子が立っていた。

俺達と同い年くらいだろうか、暗くてよく見えないが確かに男の子だった。

「男の子でしょ。それが何」

再び言い返すが、藤原君は心底あきれた顔で言った。

「あの男の子が手に持ってるもの、何かわかる?」

この暗いのにわかるかよ、と言いつつ目を凝らして見て見る。

すると、彼の手に丸いものが握られてるのが見えた。

嫌な予感がした。

「もしかして…」

 

それはどう見ても、お地蔵さんの首だった。

そして、祠のお地蔵さんには首がない。

「キモッ!!ね、早く行こうよ」

あまりの不気味さに俺は藤原君を引っ張って先に行こうとした。

しかし、

「こっちのほーがキモくない?」

藤原君がにんまり笑って言う。

恐る恐る振り返ると、祠の隣りにいた男の子が真後ろにいた。

「ギャー!!」

俺は叫んで藤原君を引っ張って走った。

アパートを降りて振り返る。男の子はもういなかった。

「良かったね藤原君。助かったよ」

 

息切れしながら振り返ると、藤原君は表情ひとつ変えないで立っていた。

そして、

「佐倉。足元気をつけて」

と言った。

ああ暗いから心配してくれてんのか、とちょっと見直したのも束の間、

何かを蹴飛ばした。ふと目をやると、

「あ、あああ!」

お地蔵さんの頭が転がっていた。

「あーあ。罰当たり」

 

藤原君がそうほざいたが、俺はもう知らないふりをして走って帰った。

仲間たちを置いて来たことなんかスッパリ忘れていたが、構っている

場合でも無かった。翌日心配になって祠を見に行ったら、お地蔵さんの

首はセロテープでグルグルに巻かれて体にくっついていた。

誰がやったかは知らないが、そっちのほうが罰当たりだと思った。