おはようございます!
歌舞伎揚げとマルボーロの無限ループにハマったさんくるです。

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叔母が移ったところは190床規模、リハビリに力を入れている地域密着型の病院だった。
建て替えて間もない小綺麗な病棟で、入院患者は高齢者がほとんどだ。

移ってすぐの週末に、辰男君が運転する車で母と共にこの病院を訪れた。
姉妹が揃うとハイテンションになる上、母の耳が遠いために叔母は大声でしゃべらねばならない。
同室の全介助のお婆さんに申し訳ないので、看護師さんにお願いして車いすでデイルームに連れて行ってもらわねばならないほどだった。

従妹も「お姉さんと話すだけでこんなに元気になるんだね」と言うぐらい脳汁ダダ漏れるらしい。
これはウチの母も然り。叔母を見舞うと母のやる気度は125%upする。
私としても2人とも元気になるならこれ以上いいことはない。

辛いのは辰男運転手だけなのである。
うむ。それならかまわん。

その2週間後に辰男号で再訪してみると、叔母の反応は明らかに鈍くなっていた。
食事はトロミ食になり、ウチの母の1/3程度にしか食べないほど食が細い。

この前はトイレまで車いすで行って自分で始末していたはずなのに、オムツになっている。
聞けば自分でオムツにしてもらったという。
常にピーピー呼ばれて走り回っている看護師さんに、たかだか5mの距離を移動するためだけに担ぎ起こして車いすに乗せてつれて行ってもらい、コトが終わったらまた呼んで車いすに乗せてもらわねばならないのが気ぶっせい(注1)なのだという。

別に嫌な顔をされているわけではないのに。

わかる!わかるよ叔母さん!
そうなんだよ。
だから私は個室がいいんだよ。
抗がん剤は個室より大部屋のほうが効果が出やすいというけども。

人の目さえなければ時間をかけて躄って(注2)トイレに行けるし、這って行ける状態なら頼まず膝行るほうがよっぽど気が楽。
病気だとどうしても手を借りなければならない時のほうが多いから余計。
変なところで血を感じるワタクシ。

あらあらすっかり話が逸れてしまった。
もとい

次の週、90歳過ぎたウチの母が一人で電車に乗ってお見舞いに行った時には高熱が出て朦朧としていたらしい。
(この「迷子の箱入りババア大冒険」は改めて!)

その晩従妹から「叔母さん来てくれたって言ってるんだけど妄想だよね?」と電話があった。
ところがぎっちょんちょん、ちゃんと一人で行ったんだよ。帰って来られなかったけどね。
なんて話して笑ったが、最近の叔母は回復していたはずの脳機能が怪しくなってきているらしい。
このままではマズい気がすると、次の施設を探し回っているそうだ。
 
従妹はお姑さんと同居で小さい子もいる。
二人兄妹なのだが「お兄ちゃんはちっとも役に立たないから財布だけなんとか」する係に任命したらしい。
 
従妹が次に見つけてきたのは叔母の自宅から数分のところにある介護付有料老人ホームだった。
 
つづく
 

(注1)【気(き)ぶっせい】気が塞ぐ、気づまり
(東京の方言なんだってさ。てっきり共通語だと思ってたよ)

(注2)【躄る・膝行る(いざる)】お尻を床につけたまま手を使って前に進む
(こっちのが方言だと思ってた)


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昭和20年代。
美○ひばりが近くで歌ったんだって。
お祖父さんが撮ったらしい。
 

 

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