地獄の業火に似た暑さの太陽神アポロンがもっとも活動していた時期が終末を告げ幾星霜

現在は豊穣の女神ベルセポネが世界をあたたかい熱で迎え入れてくれている。

今日は近くの中国3000年の歴史が誇る、中華料理界の 第六天魔王と言われているラーメンを売っている店、「ド級らーめん」

に訪れた。

店に入るとそこには、 小汚いがどことなく風情があり安心できる世界が在った、おもむろに席に座り「おすすめをひとつ」と無愛想気味に注文を済ませる。

らーめんが運ばれてくるとそこからは別世界だった、嗅覚が刺激されまだかまだかとまるでケルベロスの如く口内に大量の唾液を分泌させる。

一口スープをレンゲですするとまさにパンドラの箱を開けたかのように無数の味が疾風迅雷と化し舌へと襲い掛かる。

それは脳のシナプスを刺激し上質な味だと言う事を脳機能として伝えてくる、次は麺の番だ、スープだけであの反応なのだから本命である麺だとどうなってしまうのか、高まる感情を必死に鎖で押さえつけながらゆっくりと口元へ運ぶ、すると大神ゼウスの稲妻が体全身を駆け巡ったかのような衝撃が訪れた刹那、体が勝手に反応し麺を口元へ休む事なく運んでいく自分の口内では新たな物語が綴られているおそらくそれは人類の歴史では物足りない情報量だしかし物語にも必ず終わりが訪れるように料理にも終わりは訪れる、最後の一口がまるで最後の晩餐のように味わい尽くした

 

美味とは食物そのものにあるのではなく味わう舌にあるものである。
( イギリス経験論の父 ジョン・ロック)