「モチが喉に引っ掛かって、

 息が出来ない時間が3分間ほどありました。

 周りにいた方達が喉からモチを掻き出して、

 最後は全て吐き出しました。

 救急車で搬送中に意識が戻りました。

 その時に、ご家族に電話しないで欲しい
 
 と言ってたそうです…(笑)」

「…ありがとうございます。そして済みません…(T_T)」


病室前の小部屋に到着し、

ここで看護師さんと担当医さんとが交代。

状況を説明してくれました。


「検査した結果、

 体中の酸素濃度が低いので、

 数値が戻るまでは入院します。

 他は、吐いた時に吐しゃ物を誤飲して

 肺炎になったりする場合がありますが、

 レントゲンを撮ってみたら今回は大丈夫でした。

 また、意識を失った時に

 頭をぶつけてますが、

 CTスキャンでみても大丈夫でした。

 早ければ1~2日で退院出来ると思います。

 いや、あれだけ意識がハッキリしてる人なので

 1日で大丈夫かな…(笑)」

「…ありがとうございます。そして済みません…(T_T)」


そしてとうとうオヤジとご対面。

病室に入ると、いかにも酔いつぶれて寝てる風なオヤジ。

看護師さんがオヤジを起してくれました。

「おっ、おおっ!なんか悪いな。

 忙しいだろうし、帰っていいぞ」

なんじゃそりゃあぁーーーーーー!(T_T)


「いや、今日、自治会で

 ボーイスカウトの餅つき大会だったんだよ。

 目の前にモチが出てきたら

 食べないワケには行かないだろう。」

「………」

「そいで食べてたら、
 
 今日はなんか喉に通って行かないな、

 と思ったんだよ」

「………」

「そんでなんか、

 ワーワーとウルサイから目を開けたら、

 隣で(自治会の)副会長が騒いでてさ」

「………」

「気付いたら救急車で運ばれてて

 『やめてくれよ。オレん家で降ろしてくれよ』

 て頼んだんだけど降ろしてくれなくてさ」

「………」

「ホント、もう何ともないんだから

 帰らせてくれないかなぁ」

「………」

「この酸素吸引気もいらないってばよ。

 外してくれないかなぁ」

「………」

「このオムツも恥ずかしいよ。

 パンツに履き変えたいんだけど」

「………」

「いや、ホント大丈夫だから。

 うん、帰っていいぞ」


本人なりのストーリーは、一応あったようです(T_T)


「…オヤジ…」

「ん、なんだ?」

「もう、モチ禁止な」

「あはは、そうか?」

「いや、食べても良いけど、絶対にちっさく切ってから食べるように」

「分かった分かった」

「きっと、噛んだり飲んだりする筋肉が弱くなってるんだよ。

 伸びる食べ物、禁止ね」

「リョーカイ」


やれやれ。


また食べるだろうけど、

警戒する意識を植え付けておけば、

大事にはなるまい。


「だば、帰るね。近々また飲みましょう」

「おう、悪いな。ありがとな」


ホッとして北里大学病院を後にし、

東京マラソンに向けて、

病院から町田まで約5kmを走って帰りました(T△T)



■後書き

年末年始のあるある(?)ネタ、

まさかへた家もあと少しで

全国ニュースになるところでした(T_T)


今回の流れでターニングポイントが幾つかありました。


まずは、やっぱり年齢じゃないでしょうか。

いままで何も気にせず噛んだり飲み込めたものが、

今や筋力が落ちて、若いころのようにはいかなかったのかと。


また、搗き立てのモチも原因の大きな1つかと。

サ○ウの切りもちなどの市販タイプと比べると、

水分や粘りの関係で、喉の引っ掛かり感が違う気がします。


ほいで、助かった原因は、

ひとえに「周りに人がいた」こと。

ホントにありがたかったです。



つーことで、ここから推測するに、

年末年始にモチを詰まらせて無くなる方は、

近所でついたおモチのお裾分けを貰い、

粘りのあるお餅を食べてたら喉に詰まらせ、

一人暮らしなので、助けてくれる人がいなかった。

てのが、オイラのイメージ。


このネタ、どこかのサスペンスドラマで使ってくれないかな。

凶器は「つきたてのモチ」ていう…(T_T)



それにしても、病院の受付、

もうちょっとどうにかならないもんですかね…