雨の匂い。
それはなぜだか落ち着く匂い。
水たまりの、地下に続く世界に思いをはせながら、
いつも元気な太陽に、「今日くらいはゆっくりしなよ」と
声をかけたくなるような日。
雨の匂い。
それは僕にとっては安らぎの匂い。
雨粒が、空から落ちてくるのを
眺めて、感じる景色では、
僕は世界の一部なんだ。
雨の匂い。
それは過去の思い出を呼び起こす匂い。
「傘持った?今日は絶対雨降るよ」
「大丈夫大丈夫!そんなのいらないよー」
そんな日は決まってお気に入りの服を
びしょぬれにしちゃう日。
かあさん、いつまでも長生きしてな。
雨の匂い。
それは僕を僕自身に立ち返らせてくれる匂い。
世界は今日も進んでて、世界は今日も回ってる。
でも、時には立ち止まって、
水溜まりに映る自分の顔を、周りの景色を見てみよう。
きっと、何かいいことあるから。
