昔、豊北町島戸の高坪山に鬼が棲んでいた。夜になると里に出てきては絶えず悪事を働いた。これを聞いた住吉大神が、あるとき鬼と賭をして、「一晩のうちに島戸と角島との間を陛つづきにしたならば、何で
も望みのものをとらせる」といわれた。

 鬼は「わしが勝ったら浦中の生簀をもらう」といった。で、早速、鬼は石を投げはじめ、みるみるうちに海を
埋め、すぐ陸つづきにした。すると、大神は木の上に登り蓑笠をばたばたさせて、「コケコッコウ」と鶏の鳴くまねをしたので、鬼どもは「もう夜が明けたぞ」と逃げて行った。それからは鬼どもが出なくなった。そのとき、鬼が投げた大きな岩が鳩島で、小さな石を投げた所が海士ケ瀬で、今も角島の海岸には鬼の手形のついた岩があるという。また、高坪山には鬼どもが酒盛りしたという土器も出る、という。

角島の海岸このような岩があります。
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こちらが「鳩島」、角島大橋の近くあたりにあります。
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角島から見る高坪山
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