柳井市街の北を限る琴石山は、その頂上に琴石があり、天女が舞い降りてこの岩の上で琴を弾いたといわれる。
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 しかし、一説には、昔、敗残の若武者がこの山中で宿を求め、茅屋に住む琴の上手な美姫と一夜を語らい契ったものの、日ざめてみれば一切が幻で、ただ琴の形をした石を枕に寝ていたにすぎなかったというが、なお若武者は幻の美姫を慕い、さがし求めて山を下りず、ついにはその身も岩に化してしまったとかいわれる。今も、この山の八合目に琴の形の奇岩がみられるというが、これを若武者と幻の美姫との契りを物語る証拠として、いつかこの山を指して「琴石山」と呼ぶようになったといわれている。