川棚温泉は六百年前、この地に地震が起こり、突然、沼から熱湯がふき出したので、それまで沼に棲んでいた主の青竜が死んだといういい伝え(青竜大権現の餅つき祭り)があり、これが川棚温泉湧出の起源であるといわれる。
ところが、別の口碑によると、今から約五百年前、応永年間(一三九四~一四二八) のこと、今の川棚温泉から東約ニキロメートルのところにある飛来山三恵寺の住持であった怜雲和尚という名僧が、薬師如来の夢のお告げによって、はじめて温泉を発見したともいい伝えている。
 当地の『吉永由来書』の中に、「一ノ内と申すは応永年中の頃川棚の湯ツボを掘りし時分一番の内に掘出し申候二付一ノ内と申伝え候也」とあることから、応永年間、三恵寺の中興の祖といわれる恰雲和尚が、この温泉の衰退をなげき、寺領内の百姓をして湯壷を再掘させ、その薬効を広く世間に広めたものであろう、ともいわれている。
川棚温泉のはずれに、このような石碑があります。
訪れる人も少ないのでしょうか。ツタがからまっています。
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温泉の中心街には湯明神も祀られていました。
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(2011.09.19 撮影)