「それ、今じゃないとあかん?」舞台を控えた俺は彼女にそう言った
舞台まで一ヶ月を切っている。練習の強度も上がり、減量を進める中で精神も鋭くなっていく
「生理の様子がおかしい。病院に行ってくる」彼女はそう言う
「杞憂だと思うけどな」
不安を失くす為にも病院に行き、検査をしてもらうと良い。俺はそう返事した
それからしばらく、彼女は元気の無い日が続いた
俺も練習やトレーニングに集中したいが彼女の精神的な不安は当然、俺にも影響する
この大事な時期に勘弁してくれ…そう思っていた
そして舞台当日、ひと仕事を終えて帰ってきた俺に彼女は言う「検査結果は癌だった」