見送った希望の人たち

いつも拾い集めていた地獄の獣

獣が俺の血を吸う

俺の欲望を誘惑して

吸われ続けた果てに俺は

ついに、しぼんでしまう

乾いた梅干しのように

かつてあった潤いは一滴もない


俺は殺された、地獄の獣に

何もできない、何もしたくない

もう消えてしまいたい


風が窓を叩き俺の亡骸を呼ぶ

生命の水をこしらえて

天使は休まず希望を語り

聖水の矢を俺に放つ

そして、生気に満ちる俺の血を

地獄の獣がまだかまだかと

狙っている。