一昨年久慈駅で購入した「三陸鉄道応援きっぷ」を使うべく、東北への旅に出た。

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このきっぷは全線開通から1年間有効。先行投資というわけだ。

南リアス線への出発は、遠野駅から。

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この駅の2階は「フォルクローロ遠野」というホテルになっている。ここに泊まり、スタート地点とした。

釜石駅までの行程には、Ωループにより、眼下にこのあと停まる駅が見える「陸中大橋」駅がある。

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ここは震災前の秋に車で訪れている。ひとつ前の駅「上有住」駅も同様。今回釜石駅の展示で陸中大橋駅の栄えていたころの写真を見つけた。山腹の線路がよくわかる。



釜石駅から少し歩くと、三陸鉄道の鉄橋が見られた。


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南リアス線は、釜石の港を渡ると間も無くトンネルに入る。その後「吉浜」までは駅を除くとほとんどがトンネルである。そのあとも駅周辺で海辺の光景を見ることはできるが、トンネルがかなり多い。

にもかかわらず、今年まで開通が遅れたのは、トンネル部以外の被害の甚大さを表しているのだろう。実際高台の駅の幾つかは新しいコンクリートの高台の上に路線とともにあった。

「恋し浜」駅では3分間の停車時間が設けられ、待合室を埋め尽くす願い事を書いた貝殻を見ることが出来る。

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終点の「盛」駅で大船渡線に乗り換える。ここから気仙沼まではBRTによる運行となっている。




BRTは線路があった軌道を舗装しそこにバスを走らせるシステム。実際には復旧工事が進んでいないところなどでは一般道を使う。盛駅のホームはこれと鉄道を両脇に抱えていた。


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乗ってみると、普通のバスが単線の道路を邪魔な車もなく快走するので、面白くもある。一般道との交差では、BRT路線への一般車の進入を防ぐためにBRT路線を遮るように遮断機付き踏切がある。

気仙沼までの行程には、甚大な被害のあった陸前高田があり、奇跡の一本松を見ることが出来た。

陸前高田は未だに広大な更地に工事用トラックが走る光景が見られる。このようなところに線路をひくにはまだ時間がかかる。そういった点でも公共交通機関としてまずBRTを走らせることは必要であったと、現地を見て納得した。

陸前高田の直前では小学校の校庭に仮設住宅が今だに並ぶ光景も見られる。復興にかかる時間の長さともどかしさを感じずにはいられない。

BRTの終点は「気仙沼」駅。町並みも昔の風情が残る。ここは被害が少ないようだ。一ノ関までは普通の鉄道になる。


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この駅でもBRTと鉄道の共用ホームが見られた。さらに気仙沼線のBRTが続いている。

BRTはやはり時刻の正確さは落ちてしまう。また専用道路であってもバスの揺れはあり、長時間の乗車は疲れると思う。いずれは線路が敷かれてより高速で省エネルギーな鉄道に変わることが、街の再生にも必要だと考える。

車窓の景色が、専用道路を走ると電車からの風景になるのは面白かった。