「戦争レクイエム」の演奏会が満席の聴衆を迎えて、感動的に終わった。

今回はソリストも大学院生を起用して、合唱も含め、若者のパワーを感じた。

それは、ただやみくもに力強いのではなく、長い期間の研鑽の成果が表れていると感じた。

とかく演奏の現場に携わると、短い期間で仕上げることが多くなり、作品と深く接することが少なくなる。

学生のいいところは、じっくりと技術を高め、作品に深く寄り添う時間があることだ。

その成果を今夜は感じた。難曲ではあったが、それを感じさせない安定感が練習の時点で伺えた。むしろオーケストラ側が、その熱意を受け取った形になった。

合唱の学生たちの規律も今年は良かったので、我々も気が散ることなく練習が進行できた。インスペクターのファインプレーであろう。

尾高氏も気合いの入った指揮で世界観を高めていた。

終曲で訪れるカタストロフの場面でのオーケストラの轟音を押しのけて聞こえてきた合唱のリベラメは圧巻だった。これも若い力の成せる技!

近年のなかでも名演になるのではないだろうか。芸大の演奏の総力を結集した演奏になった。




$小室 昌広 の †CATEGORAL†