ふくむら みずき と読む。芸名ではない。(そもそも最近「芸名」はあまり見かけない気がする。)

彼女ほどハロープロジェクトへの憧れが強い人間は他にいないのではないか。ハロプロについて語るときの表現は常軌を逸してしまっている。それだけにその発言には真実味がある。

その憧れに向けられた純粋な思いが彼女の成長の糧となっている。憧れているのは特定のアイドル個人ではない。ハロプロのエンターテイメントそのものに対する憧れである。

そのなかで輝きを放ちたいという思いが、幼い頃から引っ込み思案だったらしい彼女を変化させ続けているのだろう。

最近、彼女のダンスが注目されてきているが、全身の動きにつながり・流れがあるのがその一因ではないか。

踊りなどの演芸としての動きで難しいのは身体の各部が別に動くのではなく、有機的につながって動くことだと思う。それが美しさにつながっていく。

良く部分だけみると綺麗だがまとまりがない動きというのがよくある。実は手が動くためには足からの動きが関係したり、手の動きによって身体が動かされたりするので、それを切り離してしまうと、実は自然な動きではなく、美しさが表れない。

おそらく彼女はハロプロ・エッグ時代に大きく踊ること、つまり全身を使って踊ることを徹底させられてきた。おそらくテクニックは二の次であったろうが、それが良い。おそらく身体のなかにある全体性から発する力を体得することが出来たのだろう。

そして、モー娘。に入って、田中れいなから、丁寧に細かく踊ることを教わる。いわゆる削って磨く作業である。しかし、基礎として残った全身のつながりが踊りにしなやかさとダイナミズムを与えている。

やはり表現のキャパシティーが大きいのは特だ。調整して丁寧にまとめることで様々なバリエーションが生まれるのだから。


また一方で、彼女が醸し出す色気も注目されている。

つんく♂氏はモー娘。合格のときに「なんとなく漂う哀しさみたいな…」のような表現で彼女の雰囲気を表していた。

彼女の御祖父様が電車を一両買って別荘に置いているというすごい話がある。良家の育ちが醸し出す品の良さが母性のある表情を生み出しているのではないか。それが上品な色気に感じられるのだと思う。おそらく変なダイエットもしたことがないからこそのプロポーションもこれに一役買っている。門限も19時台だったようなので「寝る子は育つ」を地で行く教育の結果であろう。


彼女からは、モー娘。メンバー達はどんな風に見えているのだろう?凄く環境の違うところで、ある意味逞しく育ってきた輝きというものを感じているのではないか。そういったロック・スピリッツの海に自らを投げ出して戦い、その輝きを自らの手に収めたいと、彼女の魂は思っているのだろう。