モーニング娘。54枚目シングル、両A面の1曲。

昨日、サンシャインシティ噴水広場のイベントに行ってみた。イベント開始最初の曲となっていた。

昭和のアイドルの応援は歌の間も頻繁にコールなどをしていたが、モーニング娘。に限ったことなのか、歌やダンスをコール等で阻害せず鑑賞する姿勢が全体に浸透していて、ファンがパフォーマンスを大事にしているところに好感が持てた。自らは受け身に徹し、パフォーマンスの細部まで味わおうとする、日本的な素晴らしい聴き方だと思う。


「愛の軍団」は当然「道重軍団」を謳ったものだ。今やモーニング娘。は芸能界と戦う兵士となっているのかもしれない。


初回限定版BのDVDに入っているダンス・バージョンは必見だと思う。

フォーメーションの妙から繰り出される、視覚的な面白さが随所に見られる。全体が花火が広がるように膨張し、それが巻き戻されて富士山のような形になる動きは、見ていて爽快である。

2コーラス終わりからのダンスで、鞘師・石田・譜久村・小田の4人が中心で凝ったターンを見せるが、音楽のブレイクとともにターンがピタリと止まり、惰性で動くスカートが、激しい動きの余韻を感じさせて美しい。日本的な余韻の美学を感じる。


サビの前に前奏と同じサックスのフレーズが長く入るのも、この曲の特徴だと思う。パフォーマンスとして歌とダンスが対等に位置することを表明している。

フランス古典オペラではアリアとダンスが交互に置かれて、エンターテイメントとして機能していた。それをよりコンパクトにしたのが、今のモーニング娘。のパフォーマンスと見ることも出来る。フランスにモーニング娘。のファンが多いのも、そういった歴史的な文化の背景があるだろう。


冒頭のメロディーは、フランス近代音楽風のファンファーレに聞き取れた。このシンセトランペットのような音は、道重の声のサンプリングだそうだ(驚)

このファンファーレが歌が入ってすぐに背後で鳴っているのは面白い。ワクテカにもそういった、全体を繋ぎとめるフレーズの挿入があったと思う。


ブレイク後の道重ソロのエディットされた美しさがそのときの振りによって更に引き立つ。それに続けて、バックコーラスなしで歌う鞘師ソロは凛としていて気持ち良い。


サビ終わり「愛の軍団」の歌詞に入る前のインストのフレーズは「わがまま…」のサビ終わり「愛されたい」のラインに呼応していると見るのは穿った見方かな…


いずれにせよ、両曲ともCマイナーではある。


「ホント、ホント」の部分はオクターヴ跳躍であり、歌としてはあまり使われないが効果的である。小泉今日子の「真っ赤な女の子」を連想した。コンサートで音がハズレないことを祈りたい。