13thアルバム「カラフルキャラクター」の中のバラード。

11期オーディションの課題曲でもあり、正月ハロコンでも全員でのトリをかざった。歌詞の世界観も含めスケールの大きい歌だと思う。

有線でも流れて、田中れいながコンビニで流れているのを聞いて驚いたと話していた。


サビから始まるメロディーはGメジャーの音階を伸びやかに動いていく。オペラアリアでもありそうな音の運びが、ポップなリズムに乗っている。

「争うことない」のところで、ほぼファルセットになるDを歌うが、ここのコードがCマイナー9になり、歌がテンションの音となる。

その結果、降りる音がB♭となっていて、ブルース的な揺さぶりをかける。

クラシック的に解説すればナポリ4度を使っているので感情の高まりを演出できている。

このあと、もう一度Dに上がってくるが、このときのコードはシンプルなドミナントなので、Bに降りてきて、晴れやかにメロディーを閉める。

結局B♭は一度だけ出てきてメロディーのツボとなっている。歌う場合もしっかり音程を使い分けるポイントとなる。広末涼子「MAJIで恋する5秒前」のサビも参照されたい。

ここで2度出てくる、ファルセットになりがちなDだが、小田さくらはファルセットでは歌っていない!かなり張りのある音だ。ONAIRでオーディション風景を見たときはビックリした。


このバラードのもうひとつのポイントは、インストのビートが16ビートまで上がってクライマックスを作るところだと思う。

これだけ伸びのあるメロディーだと普通は重めのビートで収めてしまいがちだ。しかしそれでは凡庸な楽曲になってしまう。16ビートに乗ることで、颯爽とした雰囲気になり、未来への上昇指向をイメージさせる。


カラオケで歌っても気持ちいい曲だと思う。