「与えること、笑うこと」
砂辺光次郎
講義録1109
(2008/05/02)
最近は、心の葛藤などの問題を取上げていますので、なんとなく暗い感じの話が続いていますね。こういうのでよくないのは、暗い感じが好きな人というのがいて、そういう人は、いろいろ言っているけれども、根本は暗い感じが好きなのでそういう雰囲気になるべくひたっていたいのです。何か必要があって、暗い感じの話をしているのではなくて、そういう雰囲気が好きで、そういうどんよりとした雰囲気を楽しんでいるわけです。
人生の成功者でも、暗い感じの人もいれば、からっとしている人もいて、どちらが人生の成功者だ、というものでもないのです。いわば個性なわけです。
個性だから否定はしませんが、ただ問題がひとつあります。それは、どろどろしているのが好きな人は、「わけあり」な状態とかを好んでつくってしまう場合があるのです。
本当はからっとしているのに、からっとしているのが合わないので、「わけあり」に物事を持っていく。悩むことはないのに、わざわざ悩む。こういうのが良くないと思うのです。
最近は、ずっと心の葛藤の問題をやってきましたので、今日は、少し話題を変えて三つほど、明るくなる話をしましょう。
1、昨年まで世界第一位のお金持ちといえば、パソコンのウィンドウズを作ったビルゲイツ氏ですね。
今年は一位ではなかったようですが、それはまあ、いいでしょう。
そのビルゲイツ氏は2年ほど前ですが、資産が11兆円ありました。
まあ、ひとつの国を買えるぐらいでしょうね。
そのビルゲイツ氏は、その全資産をぽんと寄付しました。
要するに、すっからかんになりました。
すると、同じアメリカに世界第二位のお金持ちの人がいて、その人はテレビ局や新聞社などを持っている人ですが、資産が6兆円あったわけです。
名前は、ウォーレンバフェットという人ですが、その人が
「ビルゲイツさん、全額寄付されたんですね。じゃあ、私の資産もぜひ活用してくださいよ。」
とその6兆円全額をビルゲイツ氏に寄付したわけです。
そうしたら、ビルゲイツ氏はその6兆円を、またどんと全額寄付したのです。
こういう方々というのは、豊かさという大河の流れの中にいて、人間の本当の豊かさというものを知っているわけですね。
ですから、このレベルになると、もう、自分の土地だとか、自分の車だとか、そんなちっぽけななことは卒業しているわけです。
豊かさという大きな流れの中にいるので、その豊かさを全世界に向けて分け与えるという人生を生きているわけです。
思うに、アメリカはもともと寄付とかボランティアの精神が非常に高い国ですね。
平均的な所得の人でも日本の20倍以上の寄付をしている、と推定している人もいます。
2、本田健さんが「億万長者になる方法」をよく語っていますが、そのキーポイントは何でしょうか。
いろいろ読み合わせると、究極的には、それは、「自分がまず与えること」になると思います。
自分が先に無償の提供をすること、それが億万長者の最高の条件だ、ということです。
たくさんの億万長者を調べてみたところ、こういう法則がわかってきた、ということです。
世の中というのは、与えたものが与えられる、という法則に満ちているということです。
もうひとつ法則があります。
億万長者になる法則ですが、それは、「好きな仕事に夢中になる」ということです。
とにかく仕事が好きで、仕事に夢中になっている、ということです。
本田健さんは、ほかにも細かいことをいろいろ言っていますが、骨太のところは、この2点です。
この2点、つまり、「先に与えること」、それから、「好きな仕事に夢中になること」、この2点です。
この2点をまずできるかどうかなんですね。
そして、ここをできないで、何か小手先のことをやろうと思っても、それは、無理だ、ということです。
3、昨日読売新聞を読んだらこんな記事がありました。
糖尿病は国民病といわれて、その予備軍も入れると1600万人以上になると言われています。
食事をすると血糖値がぐーっと上がりますが、たとえば、糖尿病の人が食事をしたあと血糖値が123上がったとします。
ところが、「あること」をすると、血糖値の上昇が3分の2以下に抑えられるということなのです。
その「あること」とは何でしょうか。
それは「笑うこと」です。
笑うことで健康になる、ということはよく知られていますが、糖尿病の人の血糖値まで下がるのですね。
記事では、「笑いには、人を前向きにするチカラがあるから」と説明されていました。
楽しく、明るく、前向きに生きるということは本当にすばらしいことですね。
それで思い出したのですが、齋藤ひとりさんの本を読んでいたらこういうことが書いてありました。
ガンになった友達がいたので、その友達を楽しく過ごさせた。そうしたら心のもち方が変わり、いつの間にかガンが消えていた、というのです。
ありえる話だな、と思いました。