「精神的遺産」


 人生が今日で終わることを想定した時、まず思うのは


 「自分はこの世にどれだけの精神的遺産を残せたのか」ということだ。


 どれだけ楽しめたか、などということは思わない。

 

 どれだけ財産を残せたか、などということも思わない。


 思うのは、 「どれだけの人にいい影響を与えてこれたのか」ということだ。


 「どれだけ愛を与えてこれたのか」ということだ。


 思い起こすと、生まれてきてから今日まで、奪うことのみ多かった。


 与えられることのみ多かった。


 乳を飲み、服を与えられ、学校に行かせてもらい、周りの人に支えられて仕事をしてきた。


 このままではマイナスの人生のままで終わるだろうと思った。


 この人生をどうしたらプラスにできるだろう。


 そしてこう思った。


 まずは身近な人に愛を注ぎ、感謝することだ、と。


 家族を愛し、感謝する。


 職場の人々に感謝し、愛情を注ぐ。


 まずそこから始めよう、と。


 たとえば、今日新しく知ったことを妻に笑顔で話してみよう。


 職場のみんなに温かい言葉をかけてあげよう。


 ご近所の方に、笑顔であいさつしていこう。


 生徒にはもちろんできる限りのチカラで与える限り与えていこう。


 その積み重ねが人生をプラスにできるだろうと思った。