小さい頃
大阪に第二室戸台風が
直撃した。
50数年前の災害だったが
玄関を開けると
家の前は川の水が反乱し
電柱の電線は切れ
火花を散らして
踊り狂っていた。

我が家や
近所の屋根は
飛ばされ
母が私達兄妹を
震えながら
抱きしめていたのを
思い出す。
断片的な画像が
今だ頭の片隅にあり
“ヒュー”という
激しい風切り音は
この歳になっても怖い。

目覚めると
空は青空。
鬱屈した昨日までの気分は
台風一過で洗ってくれた。


ベランダを見ると
しまい忘れた
ハンドタオルが
何も無かったかの様に
優しく揺れていた。