講義「障がい者福祉の基礎」から
2023年9月30日。手話奉仕員養成講座も残り1ヶ月になりました。2024年世界の皆さん、1年前の世界からこんばんは。記事の公開時には講座を終えて修了証に満足しきって習ったこともすっかり忘れてるであろう優柔不断なNEGHiです。修了証頂いた事も忘れてるかも。笑「障害者の明るいくらし促進事業実施要綱」(平成十年七月二十四日障第四三四号厚生省大臣官房障害保健福祉部長通知)及び「市町村障害者社会参加促進事業実施要綱」(平成十年七月二十四日障第四三五号厚生省大臣官房障害保健福祉部長通知)、「手話奉仕員及び手話通訳者養成カリキュラム」による手話奉仕員養成講座の入門課程と基礎課程、合計80時間のカリキュラムをなんとか無事に終えられそうです。身についたかどうかはさっぱり自信ありませんけど。さいわい修了証を取得した方向けの自治体独自の勉強会が次年度、さらにその翌年度にも1ヶ月に2回ペース(養成講座では毎週でした)で行われる見込みで、さっそく11月から引き続き習いに行くことが出来そうです。嬉しっ!有難しっ!30日の講座は「障害者福祉の基礎」というテーマで市の職員の方が講話されました。点訳のカリキュラムでも開講式の日に県職員の方による福祉行政の概要について主任主事の方の講話がありましたが、今回は鳴門市の社会福祉課で障害者福祉を担当されている職員さんから、鳴門市の障害者福祉の取り組みなどについてお伺いしました。鳴門市の人口は令和4年度で54,389人だそうで、そのうち障害者手帳を所持されている方がどれくらいいらっしゃるか。職員の方から尋ねられましたが、正直全く想像つきませんでした。令和4年度の3障がい合計の手帳所持者は人口の約6.1%にあたる3,337人だそうです。3障がいの内訳は身体障がい者手帳が2,165人療育手帳が605人精神障がい者保健福祉手帳が567人とのこと。鳴門市はもともと療育手帳所持者・精神障がい者保健福祉手帳所持者の割合は多いそうで、これは鳴門市には古くから障がい福祉施設・事業所が多かったとのことで、施設居住の方の手帳取得率が多い為だと、市ではみている様です。施設・事業所の所在地を示す事業所マップも頂きました。市職員の方もおっしゃっていた様ですが、施設・事業所は地域によって密集地域と過疎地域が目立ちました。また、同一法人が複数の事業所を運営している場合に密集していたりするそうです。マップとあわせて事業所名・所在地のリストも頂きました。マップとリストを併せ見た個人的な印象ですが、古くからの居住系の施設は人里から離れた地域に、新しい事業所や訪問系の事業所は都市部に多い様に感じました。もっともニーズや事業の合理性からしても訪問系が人口密集地に多いのは充分理解出来ますけど。意外と好感を持てたのが、訪問系(居宅介護)に分類された事業所17箇所のうち10箇所が「同行援護」サービスの提供もしているという点。私は意外と多い様に思ったのですが、他の都市ではどうなんでしょうね。3障がいそれぞれ手帳のカバーも手に取って拝見しましたが、カバーの色って自治体ごとに違っていたりするのですね。「赤手帳」とか「青手帳」という表現をされる方もいらっしゃる様ですし、統一されているのかと思っていましたが、身体障がい者手帳の場合でも青いカバーの都市もあるみたいですね。鳴門市の場合は身体障がい者手帳が赤、療育手帳が青、精神障がい者福祉手帳が緑でした。横浜市や東京都の療育手帳は「愛の手帳」と書かれている様で、横浜市はベージュ色でしょうか。東京都は黄色かな?他にも黄色の療育手帳の都市がいくつかある様です。手帳所持者、医療費助成対象者の人数や推移については6ページ分の資料を頂いています。身体障がい者手帳所持者は年齢別で見ると2165人中65歳以上が75.6%、19~64歳が23.4%、0~18歳が1.1%療育手帳所持者の年齢別では605人中65歳以上が13.1%、19~64歳が71.9%、0~18歳が15.0%精神障がい者福祉手帳所持者の年齢別では567人中65歳以上が24.0%、19~64歳が74.1%、0~18歳が1.9%身体障がい者手帳の所持者の部位別では2,165人中肢体不自由が47.2%、内部障がいが33.4%、聴覚・平衡機能が12.0%指定難病医療費助成制度対象者数は623人、小児慢性特定疾病医療費受給者証所持者数は42人こうした人数推移の資料のほか、各種手当てや手帳の等級など区分ごとに受けられるサービス、運賃など割引の内容や、サービスを受ける際に必要なもの、窓口を一覧表にしたものなども頂きました。点字の一覧表も入っていました。点字についてのお話はありませんでしたが、折り畳み式の🦯白杖は手にとって見せて頂きました。それからクイズ形式というか、こんな問題にも挑戦してみました。こちらの方々はそれぞれ誰でそれぞれ「身体」「知的」「精神」「発達」のうちどの障がいがあると公表、あるいは歴史上知られているでしょう?よく見かけるマークですが、それぞれの名称とか意味までご存知ですか?これらのマークのうち、車への表示が義務となっているのは聴覚障害標識で、初心者マーク🔰と同様の義務と罰則があります。四ツ葉マークのクルマへの表示は現在(2023年)は努力義務のため、罰則は無い様です。なお、先ほど白杖を手にとって見せて頂いたことをお話しましたが、視覚障害者が道路を歩く時には、白杖を携帯することが義務づけされているそうです。また、白杖は視覚障害者のほか、聴覚障害のある方、平衡機能障害のある方も持つことが出来ます。それから公共インフラとしての「電話リレーサービス」についても説明がありました。これは聴覚障害者の方が手話や文字を使って聴者の方への電話がかけられるサービスで、オペレーターを介して通話が出来るというものです。サービスを利用するには事前の申請・登録が必要なため、聴者が電話を掛ける時には使えませんが、電話リレーサービスを介した電話を受ける可能性は誰にでも充分あり得るということです。「掛かってくる可能性がある」という点、覚えておいて頂きたいとのことでした。もし電話リレーサービスから掛かってきたら、「心当たりが無いところだから」とか「どうしたら良いか判らないから」と突然電話を切ったりしないで下さいね。とのこと。難聴者、ろう者とのおつきあいが無ければ個人的に掛かってくることはあまり無いと思いますが、サービスが普及していけば一般の商店や病院・薬局など職場では電話リレーサービスからの電話が掛かってくるかも知れませんね。テレビの通販番組とかで頼りがいがあるかも知れません。通信というとメールやチャット・ファクシミリでこと足りそうにも考えがちですが、私も、きっと皆さんもメールよりも電話で、リアルタイムに伝えたい。という場面もありますよね。この電話リレーサービスですが2011年9月11日に日本財団に開設された「遠隔情報・コミュニケーション支援 センター」の事業から始まっているみたいです。東日本大震災の時の同支援センターの活動報告はこちら。(リンク先間違い、リンク切れなどございましたらお手数おかけしますがコメント頂けますとさいわいです)2013年からはモデルプロジェクトとして月に23,000コール以上のサービス提供(2020年9月現在)をしたそうです。公衆電話「手話フォン」は私も気になっていました。2017年に筑波技術大学/羽田空港/あかし市民広場に設置2018年には福岡空港/新千歳空港/成田空港に設置2020年6月に「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法」が可決され公共インフラとしてサービスが移行されたためか公衆電話の手話フォンは撤去されたみたいですね・・・。あと、こちらも通信サービスですが、鳴門市消防本部の「NET119緊急通報システム」のチラシも頂きました。これも比較的新しいサービスの様で、緊急通報時にチャットで消防とのやりとりが出来るというシステムです。新しいサービスといえば、ユニバーサルデザインのお話のなかで、従来の点字ブロックに変わる視覚障害者を誘導するシステムについてのお話もありました。現状の点字ブロックは車椅子の方にとっては通行しずらいと指摘されることが多い様です。視覚障害者の方は足裏で点字ブロックを感じとりながら歩かれると言われているようですが、実際には足裏で察知する前、前方に何があるかを白杖で察知しているそうです。誘導ブロックが誘導している向きや、警告ブロックが前方にあることを白杖でよみとっているとのこと。そこでブロックの形状からではなく、音で誘導するシステムが開発されているそうです。音声での誘導について更に調べてみたところ、白杖、あるいは路面などにセンサーを組み込むことで、白杖を携帯した人、誘導を必要とする方がいらっしゃる時だけ誘導・案内音が鳴動するようなシステムも開発中(発展途中?)の様ですね。自動車の衝突軽減システム・誤発進抑制システムの様に補助金や義務化で福祉機器でもセンシング技術が普及すると良いのですが、標準化(当たり前の仕様)とマイノリティ対応では相反する部分も感じますし、難しいですね。開発の経過次第では不公平も生じるかと思いますが、そこを恐れていたのでは何も変えられません。失敗は伸び代。失敗は成功の元。現在普及してる福祉用具も元を辿れば、目の前の誰かの為とか、我が子の為とか既存の品を改造した自助具にたどり着くことも少なくないと思います。例えば車椅子の元祖は諸説あるものの、紀元前500年とも言われ、それは車輪が付いたベッドだったそうです。現在のギャッチアップベッドのご先祖とも言えそうですね。その後椅子に車輪が付けられたモノも登場している様ですが、使用したのは永年権力者に限られた様です。ヨーロッパでは椅子自体が“権威の象徴”だったらしい。自走用のハンドリムが付けられるようになったのは19世紀以降。1750年のイギリスでは風呂屋が病人を風呂に運ぶ為の椅子を開発したそうです。日本では人力車メーカーが作った廻転自在輪(車)が記録上の元祖と言われている様です。福祉用具というより自助具的に発生している様に感じませんか?日本での車椅子の量産が始まるのは日露戦争以降だそうです。国内量産の直前、1936年に創業したメーカーが箱根式車椅子を開発したきっかけは三井財閥のご子息が入院されていた時の病院が輸入した海外製の車椅子が大きすぎたからだそうです。どうでしょう。(公共の)福祉も元を辿れば、目の前の特定の人のために開発された自助具だったり、ヤラシイ話し利権絡み、権力へのゴマすりから発生してたりもするんですね。とにかく嫌われ者だろうが、実行に移した人が居て、失敗をした人が居て今があるんですよね。鳴門市では昔から施設の数が多いという話がありましたが、大規模な施設を新規に立ち上げるのは容易には認めないというのが今の行政の姿勢だそうです。見方によっては国が地方に福祉を押し付け、行政が民間に押しつけている様にも見えますし、実際そのような側面もあるかと思いますが、私は「住み慣れた地域で」とか「小規模多機能」「共生」といったことが(既に)書かれた教科書で福祉の勉強をしたからでしょうか、施設(ハコモノ)作りましょうというよりも、家庭でも普段から快適な町や人材を育てましょうという姿勢に期待しています。それから、点訳講習の時にも県の職員さんから紹介があった「Uni-Voice」。今回の市役所職員さんはタブレット端末を使って実際に読み上げをデモンストレーションしてくださいました。SPコードがある場所はチラシや冊子の端に切り欠きがあります。切り欠きのあるページで切り欠き付近にUni-Voiceのアプリから端末をかざすと音声で読み上げられます。県障がい福祉課作成の心のバリアフリーハンドブックのSPコードからタブレット端末で再生される音声をデモンストレーションされていました。『妖精生活6日目・スマホアプリが自助具に?』 最終的に私たちの心に残るのは、敵の言葉ではなく、友の沈黙。 私は人を愛そうと思う。嫌悪は、あまりにも心に負担がかかるから。マーティン・ルーサー・キング・ジ…ameblo.jpユニボイスと心のバリアフリーハンドブックについて詳しくは以前に書いていますので、興味があれば2022年9月のブログ記事もごらんください。予定時間を少しオーバーする盛りだくさんの内容でしたが、頂いたチラシ・パンフレットは更に充実してて、読書バリアフリー法のパンフレット(厚労省・文科省)、青年後見制度利用ガイド(市)、障がい福祉計画・障がい児福祉計画概要(市)、青年後見制度利用ガイド(市)、福祉のしおり(県)など沢山の資料を頂きました。理想論かもしれませんし、都合の良い話に不安に感じたり、当事者の方々からしたら不快に感じられたかもしれません。申し訳ありません。怪我や病気で、万一ご自身がこれらのサービスを必要となったとき、身近にこれらの役割をになって下さる方がいらっしゃれば良いのですが、そうそう思い通りにも行かないと思いますので、いざとなってから慌てずに済む様、周りからバカにされても、無駄だと言われても気にせずに、いざとなった時に頼れる公共サービス、民間施設の(とくに地元の)情報には過敏なくらいの反応をしても良いと思います。ご自身や身近な人を守る為、誰かに責任を転嫁するのではなく、誰からも責められる必要もなく、ただ自分自身への「使命感」だけは諦めないで欲しいと思います。プレアデスの方がおっしゃるには、使命感って持ってうまれた欲求なのだそうですよ。今日も偉そうなこと言ってすみません。それでもここまて読んでいただき有り難うございました。