静岡県戦争遺跡:細谷トーチカ・監視哨調査 その1

時期:平成24年(2012)11月16日

 

『細谷トーチカ』

在所:愛知県と静岡県の県境、静岡県側。

詳細:県境愛知県豊橋市東細谷の隣の、静岡県湖西市白須賀地区側にあり

『白須賀トーチカ』が正しい名称かもしれません)

 

レンタカーを利用し、愛知県東細谷側からアプローチしました。

 

南側の海岸方面に向かい、藪の中を下って行きます。

 

(東面全体)

歩くこと数分で発見。不自然な塹壕が目印となりました。

向かって左側の凸部分が2階部分であり、観測壕を兼ねている様な造りです。

 

当方は、今まで結構な数のトーチカを訪ねましたが、この様な形状は初めてです。

 

 

(西側の窓)

まずは、その2階建部分の観測窓へ

一見銃眼にも見えます。

 

 

内部は大変狭く、コンクリート製の台座があり、腰を掛ける様な造りとなっています。

この中には1階部から入れますが、脚立などが必要です。

 

 

(西側の砲眼壁)

2階の観測窓から斜め下に位置する砲眼ですが、殆ど土砂で埋まっています。

 

 

 

(上から見た砲眼壁)

砲眼壁面は平面でなく、不均等な段差がついています。

 

 

 

裏側の東側に回り込みます。

現在の入口は、この東側の一箇所のみです。

 

 

 

 

(室内西側)

正面に砲眼があります。内部のコンクリートの保存状態は、比較的良好。

砲眼の向きから、東細谷海岸の砂浜に上陸した敵兵を、横から狙う仕様となります。

 

 

砲眼内の土砂を除去したいですが…

 

 

砲眼サイド壁には、敵弾の侵入を弾く、ジャバラ状の段が設けられています。

 

 

 

 

(室内北西側)

換気口と木材型枠跡がしっかりと残っています。

 

 

 

上方に向かう換気口

 

 

 

(室内北側)

一人が入る幅の開口がありますが…

 

 

残念ながら、こちらにも土砂流入あり。

しっかりとした造りです。

 

 

この向こう側に弾薬庫が存在したかも…。

 

 

 

(室内南側)

入口直ぐ左脇に2階に上がる穴がありますが、行脚立や梯子がいります。

周囲の木々とツルでハシゴを作れますが、今回は時間の都合で断念。

 

 

その2階への通路を下から見上げます。

腰掛用?の台座が見えています。

 

 

 

 

 

天井や壁に木製型枠等が残り、鉄筋には平型プレート骨材には玉砂利以外にも、山の石も見て取れます。

 

 

 

薄い表面が崩れ、板状の金物が露出しています。

 

 

 

この様な場所に

これほどのコンクリート製構造物を造るのは、大変な作業となります。

また、その用途を考えると複雑な心境となります。

 

 

 探訪時期:平成24年(2012)11月16日

 

其の2へ続きます…